- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析10
前回に引き続き、「メンゼンを崩すシャンテン数が変わらない仕掛け」ですが、取り上げられている手牌はいずれも鳴いて3翻以上の手牌です。
鳴いても3翻以上となると、「鳴いた方がアガリやすく打点もあまり下がらない」あるいは、「鳴いた方が高打点になりやすい」ケースが増えます。
この手の仕掛けは「鳴くことでよりよい手牌になる」と判断することは容易ですが、本書にある通り、同様のケースで毎回見落とさずに仕掛けるべき牌を仕掛けられるようになることが重要です。
実際に仕掛けるかどうかは別として、はっきり仕掛けた方がよい牌以外にも仕掛けるべき牌が無いかを予め確認しておくことをお勧めします。
78ページのように鳴き方が複数あるケースも、先に鳴いた後で受け入れが広い選択が目につくと他の選択を見落としがちになる一例。
はでメンツが完成するリャンメンカンチャンと見なす方がメンツを作るうえでは有利ですが、のカンチャンとの中ぶくれ形とみなすことも出来ます。はリャンメンターツですが、でアガった時はペンチャンともみなせる(符ハネで打点が上がる場合がある)ように、打点がかかわると別の分け方をするケースが出てきます。これも実際にそのように分けるかは別として、複数の分け方が存在するということを意識しておきたいです。
79ページはポン、あるいはチーならはっきり仕掛けた方がよいことは容易に気付けるので、それよりは仕掛けた後の形がよくないチーは盲点になるか、気付けても仕掛けるのをためらいがちになります。
同様に81ページもに比べればチーは劣るのでスルーされがち。
「よりよい有効牌を引けるかもしれない」という希望的観測ではなく、あくまで現時点の、「鳴いた場合と鳴かなかった場合の比較」であることを忘れないようにしたいものです。
現代麻雀の神ワザ
本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。
「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。
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