- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 2ヘッド理論
テーマ10
「ヘッドはいつでもできる」という格言は、おそらく「メンツと比較して」ヘッドはできやすいという意味と思われます。浮き牌1つにつきできるヘッドが1種、ターツは4種であることから、ターツと比べればヘッドはかなりできにくいです。
アガリ形が4メンツ1ヘッドなのですから、ヘッドが1つしか無い場合は、そのヘッドはメンツと同じ完成形ですから、原則手をつけません。ヘッドが2つになれば、ヘッドのどちらかをメンツにして手を進めることができるようになります。ヘッドは2つあるのがよいと言われるのはこのためです。
ただし、1→0ヘッドにすることは稀ですが、2→1ヘッドにすることはそれなりにあります。代表例が安牌残し。安牌を残すという理由だけではテンパイする受け入れを優先することが多いのですが、29ページの手牌のように高めを出アガリしやすくする効果もある場合は有力になります。この辺りも安牌を残すかどうか手牌だけで決めるというよりは、局面に応じた判断を心掛けたいところです。
テーマ11
2ヘッドにするとヘッド両方の変化を残せるので、1ヘッドの場合より変化で勝ることが多くなります。テンパイした場合も、待ちが1種のカンチャンよりは、待ちが2種のシャンポンの方が、他家が当たり牌を止めにくい分アガリやすくなります。よって、基本はカンチャンよりシャンポンです。
テーマ12
シャンポンのリャンメン変化が無い場合も、今度は待ちが残った時にアガリやすいのでシャンポン有利は覆りません。実戦的には、ターツやトイツの選択になった場合は、いずれにせよ残すターツやトイツがメンツになった時。今回で言えばをツモった時にどちらの手牌がよいかで判断すると分かりやすいです。
一昔前は、シャンポンよりカンチャンと真逆のことが言われていました。思い込みから来る誤りと言えばそれまでですが、カンチャン寄りになるケースが結構あること自体は確かです。
今回はカンチャン受け4枚とシャンポン受け4枚の比較でしたが、これが2枚切れで残り2枚のカンチャンと、片割れが枯れているシャンポン受け2枚であればどうでしょう。残り2枚のカンチャン待ちは厳しいとはいえ、切っている他家がその牌を持っていない可能性が高くなるので、残り2枚が山に残っている可能性自体は4枚のケースより高くなります。
一方、残り0枚の牌をツモることは有り得ませんし、片割れの2枚についても、特に河情報が無い以上、2枚切れカンチャンと比べれば山に残っている可能性が低いと言えます。
これは極端な例ですが、「カンチャンは山に残ってそうだが、シャンポンは分からない」となるケースが少なからずあります。「山に残ってそうで、実際にその通りだった」というケースは印象に残りやすいことも、カンチャン有利説が広まった一因ではないでしょうか。
部分的には正しくても一般的に正しいと言えるかは別ですし、逆もまた然りです。そのことを踏まえたうえで、手作りのセオリーを押さえていきましょう。
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