- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
PART4 副露読み
7 一色手の先切り
一色手傾向の河に染め色の数牌や字牌の放銃率がどの程度になるかについては、こちらの研究が参考になります。染め色の牌が河に並べられたかどうかで放銃率が大きく変わることが見て取れますが、これだけの条件だと一色手の2フーロ程度なら染め色の牌が余っても精々リーチに無スジを切るのと同程度で、良形高打点なら降りるほどではないようにも思われます。
しかし、これは手牌の復元作業を通じた個別の読みを入れずに判断した場合の話。実戦では例題のように、ノーテンや一色手以外のケースが否定されたうえに待ちがかなり絞れてしまうケースも少なくありません。手牌に溺れての放銃を避けるためにも、対一色手に関しては悪形待ちを含めて当たる組み合わせを数え上がる必要性が高いことがよく分かります。
8 字牌カウント
見た目タンヤオの仕掛けでも役牌の可能性が残っていれば待ち候補が大幅に増え、タンヤオの残りスジの放銃率が大きく変わりますし、見た目一色手の仕掛けで字牌がいずれも3枚以上見えていれば一色手はチンイツ。字牌が浮いているノーテンのケースも減るので打点、テンパイ率ともに大幅に増えるので、押し引き判断も大きく変わることが予想されます。役牌は最大で5種なので、カウントにもさほど労力は要りません。字牌の危険度が河によって大きく変動することを自覚してなかった人や、副露だけみて手役を決めつけがちな人は字牌カウントを特に意識されることをお勧めします。
鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム
「麻雀は考えるのが大事とよく言われます。では実戦でどうすればより良い思考ができるでしょうか。答えは単純で、『考えられた結果を手が勝手に出力する』ようにすること
です」(まえがきより)
麻雀とは人間の処理能力を超えた情報量を与えられ、限られた時間でそこから最適解に近いものをいかに導き出すか、というゲームであると言えます。
その際に役に立つのが「システム」です。状況をある程度パターン化し、抽象化することで個々の事象に対して、最善の選択をする可能性を上げることができます。
本書があなたに提供するのは最高レベルのシステムです。驚異的な打荘数で知られる「鬼打ち天鳳位」ことお知らせ氏が生み出し、磨き上げられた55のシステムとその詳細な解説が本書に書かれています。