- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第三章 読みのポイント
CASE17 序盤に切られた数牌の外側は安全度が高い
仮に63ページの牌姿からを先切りする打ち手だったとしても、テンパイ時に待ちが残る可能性は低いですし、くっつき1シャンテンからにくっついて待ちのケースは否定されます。先切りが多用された時代であっても、手組の観点から数牌の外側は比較的安全度が高く、安全度が高いという認識があったからこそ、その読みを逆手に取る先切りが多用されていたというのが実際のところだと思います。
先切りを多用する打ち手が相手だった場合は、「単純な無スジだったとしても押すに見合うかどうか」で判断すればよいでしょう。序盤の数牌の外側が待ちになるケースは、河に中張牌が多数切れて通常リーチに比べ通っていないスジが少なく、相対的に通ってない牌の危険度が高くなりがち。待ちが絞れている時は、「通りそうな理由」より「通らない理由」を優先して考慮することをお勧めします。
余談ですが65ページの牌姿なら打としそうです。既に純チャン三色のメンツ候補が揃っているので浮き牌を残すメリットが薄く、を残していれば安めのツモで打。そこからツモで再度三色を追うことができるためです。
CASE18 違和感のある数牌の切り出しをチェックする
「違和感のある数牌の切り出し」。具体的には、「順子が作りにくい外側の数牌が後から切られる」ケースを指します。浮き牌同士なら外→内になるのが普通なので、内→外なら外側の周辺にメンツ候補があり、外側の数牌がフォロー牌であった可能性が高くなります。
CASE19 早い5切りは14・69の裏スジが危険
真ん中の5は浮き牌の中で最も順子を作りやすい牌。それなのに早い段階で切られるということは、そこを切っても順子が作りやすい可能性が高いということになり、235、578の形が想定されます。内側の46はともかく、元々安全度の高い端の19の危険度が上がることは意識しておきましょう。具体的にどの程度放銃率が高まるかについては、『統計学のマージャン戦術』が参考になります。
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