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ネマタの戦術本レビュー第1075回「『麻雀技術の教科書』編 その7 著:井出洋介・小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1075回「『麻雀技術の教科書』編 その7 著:井出洋介・小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第1章 基本となる手組みの考え方

case6 ペンチャンと孤立数牌のどちらから切るか?

タイトルには「ペンチャン」とありますが、本項目のどの牌姿にもペンチャンは出てきません。カンチャンと浮き牌の比較である牌姿1〜3については、カンチャンがペンチャンであるものとして考察することにします。

牌姿1はペンチャンと孤立28牌の比較だとしても明確にペンチャン残し有利。メンツはリャンメンに勝るためです。

牌姿2はペンチャンと孤立3〜7牌の比較になりますが、ケース5の牌姿4同様。ペンチャンを抜いても「23222」の形が残るのでメンツ候補オーバー。テンパイ時にリャンメン待ち、または待ちのシャンポンという事実上リャンメンにも勝る待ちを残せます。よって新しいターツを作る必要性が薄いので、メンツを作る受けがあるペンチャンを残します。

本書はターツと孤立牌の色が同じことに着目していますが、孤立牌の色が違っても、孤立牌を残してリャンメンができる受け入れ枚数は変わりません。と持っていればツモでリャンカンができるメリットはありますが、ならを切ってツモでもリャンカンができます。むしろこの点から、ターツと孤立牌の色が同じならなおのこと孤立牌を切った方がよいとさえ言えます。

牌姿3はカンチャンと3〜7の浮き牌の比較の場合は明確にカンチャン残し。理由はペンチャンと28浮き牌同様。メンツはリャンメンに勝るためです。

問題はペンチャンと3〜7の浮き牌比較になる場合。「メンツ1種」と「リャンメン2種」の比較になるので、直接比較するのが難しくなります。

このような場合は1手進んだ形。今回ならツモに着目しましょう。この時ペンチャン待ちでもテンパイにとっていた方がよいのであればペンチャン残し。のような浮き牌が残ったくっつき1シャンテンの方がよいのであればペンチャンを落とします。特に条件がなければペンチャン残しそうですが、放銃を避けていればアガらなくてもさほど問題ない場合、ペンチャンの色が場に高い一方、浮き牌の色は場に安く待ちが残った場合にアガリやすいといった理由があればペンチャン落としがよいでしょう。このあたりはどちらかに決めて打つというよりは、あくまで局面を見て判断されることをお勧めします。

でピンズのリャンメンを固定する手もあります。ペンチャン待ちでもリーチがよいとみるが、周辺が場に安く待ちとして残った場合にアガリやすいといった場合に有力になりますが、牌姿3の手牌なら特に条件が無ければ打はやや損とみます。を残せばツモ引きで、狭い1シャンテンとはいえ、イーペーコー、ツモり三暗刻への変化もみれるためです。

牌姿4は単純に浮き牌比較。の形であっても、「リャンメンはリャンカンに勝る」ので打とします。牌姿6も同様の理由で打。ただし牌姿6は「13332」の1シャンテン。単騎リーチが強いとみるなら打が候補に挙がります。

牌姿5はリャンカンの可能性をみて打がセオリーとされますが、今回は「23321」の2シャンテンの手牌。を残してツモでリャンカンができても、リャンカンを残すなら切るのはリャンメン固定の打。打としていた場合はツモ。リャンメンになる受け入れこそ劣りますが、のポンテンを取ることもできる形。アンコが出来た場合は符ハネで打点面でやや勝るというメリットもあります。

もしこの1シャンテンがリャンカン残りの1シャンテンと互角であるなら、1シャンテンになるツモ牌が1種多い打がむしろ有利ということになります。このように比較的アガリに近い段階だと、リャンカンができても結局残すメリットが薄いという理由で必ずしもリャンカンの可能性を残すのが有利と言えなくなるのです。

個人的にはそれを踏まえたうえで牌姿5は打とします。ツモなら打ではなく打。ポンテン、符ハネのメリットに加え、先にを切ることでカン待ちをアガリやすくする狙いです。このように性質の違うものを比較する場合は部分的な比較では対応できないので、手牌全体を見据えたうえで、一手先の形を比較することを心がけましょう。

麻雀技術の教科書

読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!

麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。

打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。

「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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