- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるもの、または更に掘り下げたい部分等を取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
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第2章 攻めを覚えたら次に取り組むこと
超コスパ戦術,14
麻雀は振り込まなくてもツモられたり流局ノーテンで失点するゲーム。赤有りルールの麻雀では、自分がアガらなかった局は平均で子なら1500点、親なら2500点ほど損失することが分かっています。
つまり1000点のアガリであっても、アガることで失点を回避できたことを踏まえれば2500点ほどの価値があることになります。一方子の満貫は8000点で、失点回避を含めると9500点ほどの価値。本書では1000点5回はマンガンよりエラいとありますが、4回だとしてもマンガン1回より価値が高いと言えそうです。
よく鳴く打ち手が弱いとされてきた理由は、単に鳴き方が上手くなかっただけでなく、押し引き判断や降り方が上手でなければ、鳴くことでミスが増えがちということも挙げられます。しかしミスを恐れて必要以上に鳴かないのは上達の妨げ。まずは本書で取り上げられてあるような鳴きのバランスを踏まえたうえで、アガリに近づく手であれば積極的に鳴いてみるようにしましょう。
超コスパ戦術,15
高い手ほど遠いところから仕掛けた方がよいというのは確かですが、鳴いて1翻と2翻は大差ないので、個人的には1翻と2翻はあまり区別せずともよいと考えます。手牌の形が「23222」であれば、シャンテン数が下がる牌だけ鳴いていれば2フーロまででテンパイします。逆に言えばメンツが1つも無いところなら鳴くとテンパイまでに3フーロ以上する可能性が高くなるので、鳴かないとアガリそのものが厳しいのでなければ、2翻以下の手からは鳴かずに手を進める方がよいでしょう。
鳴くのがリャンメンからか、リャンメンより狭い形からかでも判断が変わりやすいですが、その辺りは後々調整していくことにしましょう。
超コスパ戦術,16
メンゼンでテンパイしたら基本的にリーチとはいえ、リーチすべきでない手牌、局面もあります。特に今回取り上げられているような三例については、リーチがかなりの悪手になる場合も少なくありません。
文字通り「何でもリーチ」だと思っていると、このような「リーチするのが大きな損失になりかねない」ケースでもリーチしがち。それよりは、リーチすべきでないケースでは絶対にリーチを打たないが、ややリーチ有利程度のケースでもリーチを控えてしまう打ち手のほうがいくばくか結果を残せるでしょう。
リーチの強さが現在ほど浸透するまで、否、今となっても、後者のような打ち手は後を絶えません。それでも前者のような単純に力量が劣る打ち手には勝ててしまうので、実はリーチを打たないことで知らず知らずのうちに損失を重ねていたことに気付けなかったのです。
麻雀を覚え立ての段階でリーチ最強とだけ教えてしまうと、前者のようなミスをやりがち。リーチ最強と押えたうえで、「本当にリーチしてOK?」と問いかける癖をつけるようにしたいですね。
麻雀「超コスパ」上達法
最短ルートで雀力がめきめき向上! これまで存在しなかった画期的な「第二の麻雀入門書」!
初心者のための戦術書をつくりたい。本書はそんな金プロの思いから生まれたものである。 「麻雀のルールを覚えた人」「これから麻雀を強くなろうとしている人」のために、最短で麻雀が強くなるテクニックを解説。絶対に押さえておきたい役作りの原則や牌効率の基本、実戦で差が出る鳴きやリーチ判断、オリの極意、さらには平均順位を押し上げるトッププロ直伝の上級テクニックまで、3ヵ月間で強者と肩を並べられるようになるカリキュラムを組んだ。
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●著者プロフィール
金太賢(キム・テヒョン)
1983年1月27日生まれ、兵庫県神戸市出身。
脱サラ後に日本プロ麻雀協会4期生としてプロデビュー、A2リーグまでストレート昇級、1年後に最高峰のA1リーグへ。2017年に団体最高タイトル「雀王」を獲得すると、その勢いで「麻雀最強位」も獲得、翌2018年も「雀王」を連覇。現A1選手の中で連続在籍記録2位、降級未経験記録1位。
高い雀力と解説の分かりやすさに加え、トレードマークの派手なシャツで人気を集め、Mリーグの解説、ABEMAのRTDトーナメント、MONDOTVのモンド杯、など様々な麻雀番組でも活躍中。今最もMリーグに近いと言われるプロの1人。
普段は健康マージャン「まーすた」で麻雀の普及活動に努めている。
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