- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるもの、または更に掘り下げたい部分等を取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
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第4章 平均順位2.3台を目指す
超コスパ戦術,36
ネット麻雀であれば自動的に戦績がつきます。これがネット麻雀を打つ大きなメリットですが、和了率や放銃率のような、オンライン以外で打つ場合は記録するのが難しいデータを取ることも可能です。
ただし注意したいのは、一番気にするべきデータはやはり平均順位であるということ。和了率や放銃率を何%にしようのように目標を立てると、「押すべきでないところから押すのに、降りるべきでないところから降りてしまう」ようなチグハグなことにもなりかねません。平均順位が改善すれば、自然と和了率は上がり、放銃率は下がるようになります。
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様々なルールで遊ばれる麻雀ですが、その中でも最も打ち方に影響するのが順位点関連のルール。順位点に沿った打ち方が出来るようになること。第3章までの基礎を身につけた打ち手にとって、更に上達するために最も重要な課題と言っても過言ではありません。
ただし、ルールが違うと言っても、いずれも四人打ちのリーチ麻雀の範疇。これまで身につけてきたような打ち方を根本的に変えなければならないということではありません。ルールを過剰に意識するのは長年麻雀を嗜んでいても伸び悩む打ち手にありがち。効率良く上達するためにも、ルールによらず変わらない打ち方をしっかり身につけてから、徐々にルールに対応できるようにしていきましょう。
超コスパ戦術,38
171ページの手牌。仮に東1局原点だとしても打で聴牌を外すところ。タンヤオがついて1翻アップの手変わりが5種以上。戦術30からも聴牌外しが良いことが分かりますね。リーチツモタンヤオドラで満貫に届くので、1翻アップのメリットが大きいと言えます。
このように、点数状況がフラットな局面は満貫和了の価値が高いので、オーラス満貫ツモ条件くらいなら案外打ち方が変わりません。もちろん細かい点数計算が出来るに越したことはありませんが、第3章までの基礎技術が十分身に付いていれば、点数計算があやふやでも案外勝ててしまうもの。むしろ点数にこだわるあまり、必要以上に逆転手を追わないように注意したいですね。
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必要以上に逆転手を追わない方がよいもう一つの理由は、ラス目以外は自分が和了しないことで順位を捲られる可能性があるため。現実的に逆転手が狙える手なら東1局でもそうすることが多く、無理そうなら安手で着順維持でもよしとする手牌であれば、東1局でもやはり安手で良しとすることが多いものです。
もちろんラス目でハネ満以上が必要となれば打ち方が変わりますが、このケースは上手く打てたとしても報われないことが多いもの。オーラスという理由で打ち方が変わり、なおかつ上手く打てることで結果に影響しやすいのはトップ目。基本は最もアガリ率を高めるように打つことになるのですが、アガリに遠い場合は放銃から逆転されてしまうのも避けたいところ。本書の練習問題を参考に、残り1局しかないという理由でどのように打ち方が変わるのかを検証するようにしましょう。
麻雀「超コスパ」上達法
最短ルートで雀力がめきめき向上! これまで存在しなかった画期的な「第二の麻雀入門書」!
初心者のための戦術書をつくりたい。本書はそんな金プロの思いから生まれたものである。 「麻雀のルールを覚えた人」「これから麻雀を強くなろうとしている人」のために、最短で麻雀が強くなるテクニックを解説。絶対に押さえておきたい役作りの原則や牌効率の基本、実戦で差が出る鳴きやリーチ判断、オリの極意、さらには平均順位を押し上げるトッププロ直伝の上級テクニックまで、3ヵ月間で強者と肩を並べられるようになるカリキュラムを組んだ。
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●著者プロフィール
金太賢(キム・テヒョン)
1983年1月27日生まれ、兵庫県神戸市出身。
脱サラ後に日本プロ麻雀協会4期生としてプロデビュー、A2リーグまでストレート昇級、1年後に最高峰のA1リーグへ。2017年に団体最高タイトル「雀王」を獲得すると、その勢いで「麻雀最強位」も獲得、翌2018年も「雀王」を連覇。現A1選手の中で連続在籍記録2位、降級未経験記録1位。
高い雀力と解説の分かりやすさに加え、トレードマークの派手なシャツで人気を集め、Mリーグの解説、ABEMAのRTDトーナメント、MONDOTVのモンド杯、など様々な麻雀番組でも活躍中。今最もMリーグに近いと言われるプロの1人。
普段は健康マージャン「まーすた」で麻雀の普及活動に努めている。
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