今週は、昨年「雀王」に輝いた矢島亨プロの「高打点鳴き麻雀」(マイナビ)を読んでいます。一見ぱっとしない配牌から、鳴いて高い手を作る過程に目からウロコでしたが、戦術以外に、筋トレの効果を強調されている点にも興味を持ちました。筋トレを始めると、麻雀が充実してきたそうです。
適度な運動が、記憶力を高めることはよく知られています。
この連載は、「大切なことを覚えると、対局中に余裕ができ、考える時間が生み出せて強くなれる」というコンセプトで、「暗記ノート」というタイトルにしています。私自身も運動をして、頭をクリアにして臨みたいと強く感じました。
さて今日は、前回の「5ブロック」を少し復習しましょう。
卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第19回 牌効率(その2) 「5ブロック」を見つけよう
中盤、こんな手牌になったとします。
5ブロックが、すっきり明確ですね。
カンチャンのやを引けば嬉しいし、を引けばリャンメンに変化しそう。たぶんはツモれるだろうから、アタマはたぶんになりそうだ。。。
この後の方向性が決まっているので、このような手では、初心者と中上級者の間でそれほど差はつかなそうです。
一方、5ブロックがはっきりしない手では、腕の差が出ます。方向性がいくつか考えられるので、どれが良いかを判断する力が求められるからです。
では、「5ブロックがはっきりしない」状態は、なぜ起こるのでしょうか。
よくある原因は、「4枚で、1ブロックにも2ブロックにもとりうる形」です。
具体的には「メンツ+近くの1枚」という形です。これを大事にすると、牌効率がよく、早くテンパイしやすくなり、アガりやすくなります。1ブロックにも2ブロックにもなる形があると、状況に応じて柔軟に対応しやすくなるためです。
その優れた形の代表選手は、「4連形」と呼ばれる、次のような形。
手の中にあると非常に強力なので、宝物のように大切にすることをお勧めします。
例えば
は、
+
でもありますし、
+
でもあります。
他のところで4ブロックできる見通しがつけば、かを切れば、すぐに完成した1ブロック(メンツ)として使えます。
一方で、すぐに2ブロックになるパワーを持っています。
次にをツモる形を考えると分かるので、1つずつ見ていきましょう。
1)を引くと…
「1と3のカンチャンターツ」「456のシュンツ」の2ブロックになります。
2)を引くと…
非常に嬉しい形です。1、4、7を引くと2つのシュンツができます。
3)を引くと…
「3のトイツ」「456のシュンツ」の2ブロックになります。
4)を引くと…
「34のリャンメンターツ」「456のシュンツ」の2ブロックになります。
5)を引くと…
「345のシュンツ」「56のリャンメンターツ」の2ブロックになります。
6)を引くと…
「345のシュンツ」「66のトイツ」の2ブロックになります。
7)を引くと…
非常に嬉しい形です。2、5、8を引くと2つのシュンツができます。
8)を引くと…
「345のシュンツ」「68のカンチャンターツ」の2ブロックになります。
とを引いたときだけは、カンチャンターツができて少し嬉しくないですが、それ以外はよい形になります。
特にとを引いたときは、3つ受け入れがある三面張(サンメンチャン)の強い形になります。
極端によい形の例として、4連形が2つあるイーシャンテンを考えてみましょう。
この形だと、次に引くとテンパイする牌の種類は、ピンズが~の8種、ソーズが~の8種、あわせて16種もあります。麻雀牌が34種あるうちの16種引けば良いわけですから、すぐにテンパイできそうです。
さらにをツモった時は、三面張の強いリーチを打てます。
マンズで2ブロックできているので、ピンズとソーズで残り3ブロックを作ればいいのですが、4連形は1ブロックにも2ブロックにもなるので、とても柔軟に考えられるんですね。
一方、よくあるリャンメン形2つ+安全牌1枚のイーシャンテン、例えば
を考えてみましょう。これも十分嬉しい形ではありますが、5ブロックが固定されており、次に引くとテンパイするのは、の4種だけです。
上の形が16種だったことを考えると、4連形がいかに可能性を広げてくれるか、理解頂けると思います。
4連形ができると、すでにあるブロックを壊す場面もあります。
で、かをツモると、 を落とすのがお勧めです。 のブロックを失いますが、4連形がすぐに2ブロックに成長して、カバーしてくれる可能性が高いためです。
特にこのような手だと、を切ることでタンヤオの期待もでき、打点の上昇も見込めます。
なお、大事な注意点が一つあります。
4連形のもっとも優秀な形は、受け入れが8種ある真ん中の
との2つで、端に寄るとパワーが落ちる、ということです。
とも、強くはありますが、受け入れはそれぞれ7種に減ります。三面張へのなりやすさも減ります。
とになると、ぐっと弱くなります。一応受け入れはそれぞれ6種あるものの、嬉しい受け入れはそんなにありません。三面張になることもないですね。
ということで、まだ5ブロックが固まっていない状態で、
、、、
のような形があれば、一つ離れた牌をあっさり切らずに、大切にすることをお勧めします。
間を埋める牌をツモると、最強の4連形ができるからです。
真ん中の4連形はあまりに重要なので、適度な運動をして記憶力を高めて、次の全種類を目に焼き付けておいてください。
目の保養?のために、赤入りバージョンもご紹介します。
毎回「これは4連形だな」などを頭で考えることなく、見ただけでテンションが上がるようになると理想ですね。
次回も、「メンツ+近くの1枚」のさまざまなパターンをご紹介していきます。