最高位戦日本プロ麻雀協会では、この時期、「飯田正人杯 最高位戦Classic」というタイトル戦が行われており、他の団体の方々も含め、多くの選手が挑戦しています。私も6月30日に予選に出場します。
このタイトル戦は、「最高位戦Classicルール」で行われます。このルールでは、裏ドラや一発がありません。また、連荘できるのは、親がアガった時だけです(テンパイしているだけでは連荘できない)。普段のルールとは、リーチ判断や、押し引きが変わってきます。麻雀の奥深さを味わえる機会として、楽しみにしています。裏ドラや一発がないルールで対局できる機会があれば、ぜひ皆様も一度体験してみてください。
さて、前回は4連形の強い形をご紹介しました。強い理由の一つは、「1ブロックにも2ブロックにもとりうるので、柔軟性がある」からでした。
今回は、同じくこの特性をもった、2つの形をご紹介します。これも重要なので、丸暗記をおすすめします。
1つ目は、「中ぶくれ」と呼ばれる、次のような形です。
たとえば
は、ほかの部分で4ブロックできる見込みが立てば、を切れば、の1メンツとしてすぐに使えます。
一方、見方を変えると、との2つのリャンメンターツがある、ともいえます。
そのため、以下のような広い受け入れがあります。
1)を引くと…
「234のシュンツ」「45のリャンメンターツ」の2ブロックになります。
2)を引くと…
「345のシュンツ」「34のリャンメンターツ」の2ブロックになります。さらに5を引くとイーぺーコーになります。
3)を引くと…
「334のシュンツ」「44のトイツ」の2ブロックになります。
4)を引くと…
「345のシュンツ」「45のシリャンメンターツ」の2ブロックになります。さらに3を引くとイーぺーコーになります。
5)を引くと…
「34のリャンメンターツ」「456のシュンツ」の2ブロックになります。
4連形ほど受け入れが広くはなく、三面張になることもないのですが、何を引いてもカンチャンの受け入れが生じることがなく、かつイーペーコーで打点上昇の期待もある優秀な形だといえます。
なお、4連形と同じく、中ぶくれも、端によった形
や
は、上記のような強さはないのでご留意ください。
2つ目は、「亜リャンメン」と呼ばれる、次のような形です。
普通のリャンメンターツに、隣りのトイツが接している形ですね。
たとえば
は、ほかの部分で4ブロックできる見込みが立てば、を切れば、の1メンツとしてすぐに使えます。
一方、見方を変えると、のリャンメンターツとのトイツとがある、ともいえます。
そのため、以下のような広い受け入れがあります。
1)を引くと…
「345のシュンツ」「66のトイツ」の2ブロックになります。
2)を引くと…
「456のシュンツ」「46のカンチャンターツ」の2ブロックになります。さらに5を引くとイーぺーコーになりますし、3467を引いてもよくなります。
3)を引くと…
「456のシュンツ」「56のリャンメンターツ」の2ブロックになります。さらに4を引くとイーぺーコーになります。
4)を引くと…
「456のシュンツ」「66のトイツ」の2ブロックになります。
5)を引くと…
「34のリャンメンターツ」「456のシュンツ」の2ブロックになります。
こちらも、4連形のパワーには及びませんが、十分な発展性があることがわかります。
この形の強さを実感できる例として、村上淳プロの「麻雀の匠」の1回目の動画をご覧ください。
配牌で、の亜リャンメンがあります。他の形もまずます良く、しめしめという感じですね。
首尾良く、イーシャンテンになります。
マンズで2ブロック作るとすると、ピンズとソーズで、残りの3ブロックを作ればいいですね。
つまり、ピンズが2ブロックならソーズは1ブロックで良く、ピンズが1ブロックならソーズは2ブロック作ればOKです。1ブロックにも2ブロックにもなりうる亜リャンメンの柔軟さが生きる形です。
具体的には、上の形からを引けば、を切ればテンパイですね。
を引けば、を切ればテンパイです。
を引けば、かを切ればテンパイします。
そのほか、もしやを引けば、をカンしてドラを増やし、好形のリーチを狙うルートもありそうですね。
このように、強い形が手の中にあると、柔軟性が生まれて受け入れが広いですし、もし先制攻撃を受けても、いったんオリてながら迂回して、再度テンパイして反撃しやすくなります。
一見5ブロックが明確でなく、ブロック構成が揺れ動くため、戸惑うこともあると思いますが、慣れてくると「おお、この形がこう育つのか!」とワクワクできます。そのためにまず、「4連形」「中ぶくれ」「亜リャンメン」の強い形を覚えて、一瞬で把握できるようになりましょう。手牌が柔軟に変化していく様子は、麻雀の醍醐味の一つです。
なお今回ご紹介した村上淳プロの動画は、「麻雀の匠」の、記念すべき初回です。おなじみの「リッチ!」という発声も堪能できますのでお勧めです。
次回は、5ブロック揃ってからの、ブロックの整え方を考えます。