本日から麻雀マスターズ2019が始まります。この大会は3つのルールで複数のイベントが行われ、初日となる今日はバイダというルールがメインイベントとなります。この記事では日本人に馴染みのないバイダ麻雀の解説をします。
大会全体についてはこちら↑
バイダ麻雀とは?
まず、バイダ以外にも適用される大会全体の共通ルールがこちら↓
- 1ラウンド=1荘
- ウマオカはなく、参加者全員の素点合計を比べ順位を決める
- リーチ・一発・ドラなし
- 喰い下がりなし
- 喰い替えあり
- 同巡内フリテン以外のフリテンなし
- 同巡内でも役が異なる方が出ればフリテンではない
- 連荘なし
- 親、子で和了得点が変わらない
- 同時アガリは頭ハネ
バイダ麻雀はアガリに必要な役が8種類と極端に少なく、オールマイティ牌が入るというルールです。
要点は以下の通り
- 役が1つでもあればアガリ可能(ボーナス役のみでは不可)
- サイコロの出目によって山の一枚をめくり、その牌とその次の牌(計7枚)がバイダ牌となる
- 王牌はバイダ表示牌の直前まで取り切り
- バイダ牌はオールマイティ扱い
- バイダ牌を持っていてフーロするとロンアガリが不可となる
役名 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
対々和 | 30 | |
七対子 | 30 | 4枚使いOK。 |
混一色 | 40 | |
一気通貫 | 40 | |
清一色 | 100 | |
国士無双 | 200 | バイダを持っていると出アガリ不可。 |
字一色 | 320 | |
セブン・バイダ | 480 | バイダ牌を7枚全て集めた時点で成立する特別役。ボーナス役は複合しない。 |
役名 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
ノー・バイダ | 10 | バイダ牌が無い状態でのアガリ。自分でバイダを捨てて成立させても良い。 |
フォー・バイダ | 10 | バイダ牌を4枚以上使ったアガリ。 |
嶺上開花 | 10 | |
チャンカン | 10 | |
海底 | 10 | |
河底 | 10 | |
バイダ・ドラゴン | 30 | バイダ色の一気通貫 |
ビッグ・クレーン | 100 | 裸単騎でのアガリ。ただしバイダ牌を自分で捨てていると10点となる。 |
天和・地和 | 200 | |
四槓子 | 400 | ビッグ・クレーンとは複合しない。 |
字一色とセブンバイダは頭の片隅に入れておけば良いので、実質6役覚えればプレーできます。
どうしてもセブンバイダは異質に感じてしまいますね。
確かに七対子のアガリ形になるのでおかしくないのですが、どうも特殊勝利感が強いというか……。
7枚揃えると勝利が確定するという、ドラゴンボールかエクゾディアみたいなやつです。
6枚バイダがあったらまず普通にアガれるので、それを拒否して残り1枚をツモりに行かないといけないとなると失敗した時は後悔しそう……。
そして、バイダルールとオーストラリア公式ルールの得点は、次のようにやりとりされます。
- アガリ点の3倍が和了者の収入となる
- ツモアガリの場合はアガリ点を3者からもらえる
- ロンアガリの場合は、アガリ点が30点以下かどうかで払い方が変化
- 30点以下の場合はツモアガリと同じように全員同額負担
- 30点より大きい場合は放銃者以外が30点ずつ負担し、残りを放銃者が支払う。
具体例はこんな感じです↓
アガリ役 | Aさん(和了者) | Bさん | Cさん | Dさん |
---|---|---|---|---|
対々和(30点) | +90 | -30 | -30 | -30 |
清一色(100点) | +300 | -100 | -100 | -100 |
アガリ役 | Aさん(和了者) | Bさん(放銃者) | Cさん | Dさん |
---|---|---|---|---|
対々和(30点) | +90 | -30 | -30 | -30 |
清一色(100点) | +300 | -240 | -30 | -30 |
多井プロたろうプロに聞く!ルールのポイント
バイダ麻雀の特徴は、なんといってもバイダ牌を利用した多面待ちでしょう。
たとえばこれは↓
(バイダ)
七対子の5面待ち。※バイダ牌でアガリとなるのはツモ時のみ
(バイダ)
これなら34種類どの牌でも一気通貫でアガリ可能。字牌かソーズかバイダならホンイツもつきます。
ただし、フーロしているとロン禁止になってしまうので注意が必要です。バイダを持っている時に仕掛けてツモ限定の4面待ちとかにして良いのかどうか判断に迷います。
そこで、多井隆晴プロ、鈴木たろうプロにルールのポイントを教えていただきました。
-----ずばりこのルールのポイントは?
たろう:バイダがいっぱい来た時に国士なりチンイツイッツー(一気通貫)なり高い手をアガる事。普段は色。イッツーもホンイツも色系なのでとりあえず多い色を目指して進行していく事。
多井:3巡目までにバイダが2,3枚あったら勝負手。バイダは振り込んでもどうでもいいんで。
たろう:まあ当たんないですよね基本。
多井:(バイダがあると)鳴いたらロンできないんでね。関係なく自分のアガリだけを見る感じです。
-----自分にバイダがある時の鳴きについては?
たろう:意外と鳴かない事もある。肝じゃない所は鳴かない方がいいかも。
多井:でも1つ2つ鳴いて多メンチャンなら全然鳴く。
-----バイダ色に寄せるのは非効率でしょうか?
たろう:バイダ色は非効率になるから基本落とすんですけど、色がはっきりしてる時は先にもう一色を切っちゃったりする事もある。バイダ色、自分の色、相手の色が明らかに決まっていれば。
多井プロ、たろうプロ、ありがとうございました。「バイダが多くある時は高い手を狙って押していく。鳴きは少し我慢し急所か待ちが広くなる場合に留める。通常時は色に寄せる」というのが基本方針となりそうです。
最後に
21日のバイダルール大会は2ラウンド=4半荘で上位32名に絞られ、最終3ラウンド目で優勝者を決定します。日本からの参加者の上位入賞はあるのでしょうか?結果記事をお待ちください。
※冒頭の写真は練習中のため手牌をオープンにしております。