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グループA決着。4人がラウンド16へ進出。【シンデレラファイト シーズン2 GroupA Day2 担当記者・中島由矩】

グループA決着。4人がラウンド16へ進出。【シンデレラファイト シーズン2 GroupA Day2 担当記者・中島由矩】

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シンデレラファイト本戦は、44人を11人ずつ4つのグループに分けている。グループAの11人から、DAY1で3人が脱落し、8人の選手がこのDAY2の試合に臨む。うち5人はDAY1の勝ち残り、3人は今回初お目見えとなるシード選手だ。

#1 松井夢実 川上レイ 陽南まこ 高橋慧

シード選手の中で最初に登場してきたのは、前回大会ファイナリストの陽南まこ。協会の20期前期でプロ3年目、ちなみに筆者の同期だ。デビューと同時に雀荘ゲストに引っ張りだことなり、人気先行かと思いきや、前回大会で実力もあることを証明してみせた。

 

 

2人目のシード選手は、連盟35期でプロ5年目の高橋慧。ツイッターのプロフィール欄には「ダースベイダーみたいな麻雀打ちになりたい」と書いてある。陽南とは対照的に、今回が初出場。DAY1を勝ち残ってきたライバルたちを蹴散らし、グループAの名悪役となれるか。

 



このシード選手2人に挑む、DAY1勝ち残り組の1人目は、最高位戦第44期新人王の「ゆめみん」こと松井夢実。今大会のコンセプトである「新しい時代のシンデレラ像」「生き残りを賭けて戦う力強い女性像」にピタリとはまる対局姿で、DAY1の2半荘だけでもすでに多くのファンを獲得している。

 



DAY1勝ち残り組の2人目は、連盟の川上レイ。予選で1度は敗れたものの、本戦に辞退者が出たため、繰り上げで出場できることになった。DAY1♯3では連続で跳満を決め、最後は他者のラス争いを邪魔しないようにする配慮までしてみせての、余裕を持った勝ち上がりとなった。

 

 

♯1は、2度の三軒リーチがあり、各者の意地と意地が卓上で激しくぶつかり合った。

 

東2局、川上からの親リーチを受けた、松井の選択が面白い。好形のイーシャンテンから、一発でドラ表示牌の[⑧]をプッシュしたものの、次に持ってきたのがドラ[⑨]だった。川上の河に[4]があったのを利用して、[4][3]落としを敢行し、ドラ[⑨]はいったん手に留める。



松井が迂回している間に、陽南にもテンパイが入った。待ちはカン[7]とせまいものの、赤赤で打点は十分。イチかバチか、打[⑥]でリーチに行く。陽南はこういうところで変に日和って勝負を先延ばしにはしない。

 

 

陽南より一足先にドラ[⑨]を重ねて[三][六][九]三面張テンパイを入れていた松井だが、二軒リーチになったところで、意を決してツモ切りリーチに踏み切る。

 

 

実は、高橋慧が2巡前にトイツの[九]を1枚通しており、陽南の追いかけリーチがなければ連打されていたかもしれなかった。陽南からの追いかけリーチを受けて、高橋慧は前巡リーチ宣言牌の[⑥]を合わせて、一発を避けていたのだが、もう安全牌はない。

 

 

三軒リーチに囲まれた高橋慧は、あごに手をやって考える。仮にこれが二軒リーチであったとしても、両方に通る牌を選ぶのは至難の業だ。三軒リーチともなれば、言うまでもないだろう。

 



そうして、高橋慧は魅入られるように[九]に手をかけてしまった。松井のロン発声が重なる。

 

 

リーチ・一発・白・一気通貫・ドラドラは、跳満12000点。松井は大きなリードを得、高橋慧はこの後、終始脱落ポジションで麻雀をすることになってしまった。

 

しかし、四者の思惑が複雑に絡み合い、最終局となる南4局1本場では、トップ目の陽南からラス目の高橋慧までわずか5700点差にひしめき合う形に。

 

東家・高橋慧22500

南家・松井夢実24500

西家・川上レイ23800

北家・陽南まこ28200

 

現状、脱落ポジションにいるのは高橋慧。しかし、トップでのラウンド16進出を目指す陽南・松井・川上が激しくぶつかり、この対決の和了者がラウンド16を決め、放銃者がそのまま脱落することになった。



ファーストテンパイは松井。[⑧]をポンしてペン[3]待ち。5200点なので、どこから出てもトップになれる。

ここに川上が追いつく。打[⑤]とすれば、西・チャンタ・三色・ドラドラの12000点になるが、そうなった場合の待ち牌であるカン[⑧]は松井にポンされていて薄い。また、打[⑨]でのカン[⑥]待ちも、西・ドラドラの5200点で、トップでこのゲームを終えることができる。

 

川上は、ラス牌のカン[⑧]をツモ切った2巡後、松井から[⑥]を召し取ってトップで終局。松井ファンからすれば、「倍満ツモっといてくれよ」とボヤきたくもなるが、川上は自身の勝ち上がりのために最善を尽くした。先にテンパイを入れていた松井は、言わずもがな。高橋慧は、ラッキーな横移動で♯3を打てることになった。

 

 

松井は清々しい表情で一礼をし、会場を後にした。DAY1に比べて自分の麻雀ができたのだと言う。オーラスも、本当に紙一重だった。

#2 松田彩花 梶梨沙子 羽月 奏未ゆいな

 

グループA最後のシード選手は、「あやちー」こと松田彩花。連盟の33期はプロ7年目で、今回が最初で最後の参戦となる。松田はプレイヤーとしてのみならず、実況者としても研鑽を積み、少しずつ花を開かせ実をつけてきている。

 

 

その松田に挑むのは、DAY1を戦った梶梨沙子

 

 

羽月

 

 

奏未ゆいな

 

 

の3名。

♯2は、手役に寄せた競技麻雀らしい進行が随所に見られ、ファンをわかせた。

 

まずは東4局、奏未の手組みから見ていこう。序盤から[④][四][⑥]と切っていき、場に安全そうな牌を抱えつつチャンタをねらう。

 

 

続いて南1局の奏未は、またもや序盤から[③][6][4]と中張牌を切り飛ばして端に寄せ、先行リーチの松田から高めの[九]を打ち取って5200点をゲット。

 

 

南3局の梶は、打[9]でのテンパイを取らずにホンイツを見た打[三]

 

 

アガリにはつながらなかったものの、ツモ[9]を見事にとらえ、戦前に自身で語った「カッコいい麻雀」を体現してみせた。

 

南4局9本場を迎えて、4者の点棒状況は下の通り。

東家・松田彩花38000

南家・梶梨沙子9500

西家・羽月38100

北家・奏未ゆいな14400

松田の親リーチに子方が立ち向かえず、ジリジリとした展開が続く。積み棒はついに9本を数えた。

 

ここで、トップ目の羽月に早い手が入る。1つ仕掛けて



2000は4700を奏未から出アガリ。「ロン。」と言われた奏未はさぞかし肝を冷やしただろうが、ラス目の梶との点差は4900点あったため、200点差で3着に残った。

 

 

脱落は梶。♯1の松井同様、やり切った表情で、カメラからフレームアウトするほど深々と一礼し、会場を去った。

 



♯3は、グループAで初めて、3着・4着が脱落となる最終戦となった。グループB以降でも同じ試合進行になるので、覚えておいてもらえたら。

 

 

♯1で3着となった高橋慧。

 



♯2で3着となった奏未ゆいな。

 

 

♯2で2着となった松田彩花。

 

 

♯1で2着となった陽南まこ。

 

松田が抜け出したが、この試合は1着と2着が同価値だ。松田以外の3者は、お互いをけん制しながら局だけが進んでいく。

南4局を迎えて各者の点棒状況は、

東家・陽南まこ24500

南家・高橋慧15500

西家・奏未ゆいな8200

北家・松田彩花51800

2着目の陽南がいわゆる「ターゲット」になる。高橋慧は1600/3200ツモ、奏未は3000/6000ツモを目指して手を組んでいく。

 

ここで奏未の雀力が光る。

 

 

カン[六]を引き入れてテンパイ。フラットな東1局ならドラの[東]を切ってリーチと行きたいところだが、このままだと一発でツモって裏ドラを1つ乗せるか、裏2が必要だ。奏未は打[⑨]としてテンパイを外し、ドラの[東]を重ねにいった。

 

 

このドラが本当に重なるのだからすごい。これで、一発じゃなくても、裏ドラが乗らなくても、リーチ・ピンフ・ツモ・赤・ドラドラで3000/6000になる。奏未にできるのはここまでだ。あとは6回のツモの中に[6][9]があることを祈るのみ。

 

しかし、辛抱に辛抱を重ね、テンパイを外してまで作った条件も、最後の1牌に出会えなければ水泡に帰す。



グループA最後の1戦終了後は、2人の脱落者が出る。最後は2人並んでの退場となった。

 

辛くも2着に残った陽南まこは、ファンからもらった名前入りリストバンドをつけてこの対局に臨んでいたようで、終局後のインタビューで視聴者にも見せてくれた。雀荘ゲストと放送対局が作ってくれる縁を大切に、川上レイ・羽月・松田彩花とともに次のステージへと進む。

 

最後の1牌まで完全に、自分の思い通りになるとは限らない。しかし、シンデレラたちは今回も、祈るような気持ちで1枚1枚牌をめくっていく。次回はどんなドラマが生まれるのだろう。

次回Day3は6月24日(金)17時配信開始! ゲストは忍田幸夫プロ(麻将連合)

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