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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第70回 空切りの効果とコツ

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第70回 空切りの効果とコツ

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ある牌をツモります。ちょうど、ツモ牌と同じ牌が手の中にあります。
そんな時に、ツモ切りせず、手の中の牌を切ることを「空切り(からぎり)」といいます。
同じ牌を切るだけなので、手の形は変わりません。

一方、他家からは、手出しに見えます。
つまり、実際には手は変わっていないのに、手が進んだように見せる効果があるんですね。

この効果によって、どんなことが起こるでしょうか。

その前に、基本に立ち返ってみましょう。

麻雀は、配牌から一巡ごとに、必要な牌を手の中に残し、不要な牌を切ります。
つまり、「後の方に手出しされた牌ほど、その人にとって大切だった」という大原則があります。例えばタンヤオを狙う人なら、先に一九字牌が切って、テンパイに近づくにつれて中張牌が出ていきます。

そのため、空切りを効果的に使うと、自分の手牌に煙幕を張れることがあるのです。

具体的に見てみましょう。

[二][三][四][③][③][④][赤5][6][9][9][中][中][中] 

このイーシャンテンから、[7]をチーします。
[③]を切って、[②][⑤]待ちのテンパイになりますね。


[二][三][四][③][④][9][9][中][中][中]   [7][赤5][6] チー 


すると、「チーテンにソバテンあり」の格言通りの素直な待ちになり、[②][⑤]は他家から出にくくなります。

そこに今度は、[四]をツモってきます。
ツモ切りせず、手の中の[四]を空切りします。

他家から見た最終手出しが変わり、「[③]より[四]の方が大切だったんだな」と誤解させることができます。
そして、[四]のまわり、[二][三][五][六]を切りにくくして、他家の動きを縛れるわけですね。

また、本来の待ち [②][⑤]への警戒度は、少し下がります。

実力者同士だと、「それ空切りでしょ」と読まれることもありますが、とはいえ、絶対に放銃できない場面などでは、効果があります。最終手出しのまわりを切るのは、やはり覚悟がいるからです。

終盤は、ある1牌を切れるかどうかで、わずかなアガリの可能性を残せたり、形式テンパイをとれたりするので、小さくない影響があります。

また、空切りには「他家から見た安全牌を減らす」という効果もあります。
例えば、自分が鳴き手でテンパイ。他家から見てもテンパイ濃厚、という場面を想像してみてください。

その後、自分がツモ切りを繰り返していると、その間に他家が切った牌は、基本的にすべて安全牌になります。
当たり牌が出たら「ロン」と言われるはずが、声がかからない。
そして、ずっとツモ切りなので、手が変わっていないからです。
(特定の人からだけアガリたい時に、他の人からアタリ牌が出ても見逃すケースもありますが、レアケースです)

すると、どんどん安全牌が増えて、他家は自由に打てるようになります。

しかし、自分が一度空切りすれば、手が進んだように見えますから、安全牌情報はいったんリセットできます。
これもやはり、他家の動きを抑えることにつながります。

少し前の記事ですが、麻雀ウオッチに
最高位決定戦注目の一局その4!園田賢プロの先を見越した空切りテクニック!


という興味深い記事がありますので、ご紹介しましょう。

 この一局の牌譜はこちら


この局で、園田賢選手は2度、空切りを使っています。

まず7巡目。

[一][二][三][①][②][③][⑦][⑧][4][5][8][8][中]  ツモ[②] ドラ[中]

ここで[②]を空切り。

だいたい、[⑥][⑨]待ちか[3][6]待ちのリーチになりそうですが、その前に[②]を手出しすることで、[②]の周辺を切りにくくさせているのです。例えば、他家が「[②][②][③]から[②]を切って、[②][③]が残っているのかな」と思えば、[①][④]が要警戒になります。

このあと、待望のドラの[中]をツモ。
ドラをアタマにできて打点アップ。トイツの[8]を1枚切ります。

[一][二][三][①][②][③][⑦][⑧][4][5][8][中][中] ドラ[中] 

すると、また[8]をツモります。

[一][二][三][①][②][③][⑦][⑧][4][5][8][中][中] ツモ[8] ドラ[中] 

[8]は不要牌なので、今さら3枚目が来ても嬉しくはありません。
普通はツモ切りそうですが、園田選手は[8]を空切りします。
常に一手も二手も先を見る、園田選手のすごいところです。

空切りすると、他家からは「[8]を連続で切って、トイツ落としだな」と見えますよね。ここがポイントです。
園田選手は、狙い通り[7][⑨]を引き、次の形でリーチ。


[一][二][三][①][②][③][⑦][⑧][⑨][7][8][中][中] ドラ[中] 

[9]でアガればチャンタになり、決定打になりえます。
ここで、事前に[8]のトイツ落としを見せていることによって、他家から[9]が出やすくなっているんですね。

というのは、もし[9]がリャンメンで当たるなら、手の中に[7][8]があるわけですが、[8]を2枚切っているので、もともとは[7][8][8][8]と持っていたことになります。

普通、こんないい形から、[8]を2枚切るかなあ?あまり切らないよね。
だから、[9]は比較的安全に違いない。。。

と考えます。園田選手の思惑通りですね。

最後の例は高度な話でしたが、空切りの効果の一例として紹介しました。

と、ここまで読んでいただいて「空切りすげえ!」と思われた方に冷や水を浴びせて恐縮なのですが、どんな時でも空切りをした方がよいわけではありません。

基本的に、手の中から牌を出すことは、他家に何らかの情報を与えてしまいます。
明確な目的があれば良いのですが、何となく空切りを繰り返していると、どんな手牌構成なのか、自らさらしていくことにもなりかねません。

また上記の例で、もし空切りせずに、ツモ切りしたとしても、致命的なマイナスになるわけではありません。
最初は、迷ったら無理に空切りしない、ぐらいのスタンスで良いと思います。そのうえで経験を積んで、「こういう場合は空切りが有効なのだな」とつかんでいくのがお勧めです。

次回は、形式テンパイについて考えます。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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