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「ドリブンズのlast one mile 長く険しい1週間 第3部」赤坂ドリブンズマッチレポート

「ドリブンズのlast one mile 長く険しい1週間 第3部」赤坂ドリブンズマッチレポート

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2月12日 19:00

ドリブンズはレギュラーシーズンの全80試合を▲8.7ptで終え、ファイナルシリーズ進出の命運を他チームの結果に委ねる形となった。

チームの行く末が決まる緊張のレギュラーシーズン最終日、おじさんたちは自宅でもなく、監督邸でもなく、飲み屋でもない。

パブリックビューイングの会場にいた。

そう、この日はなんとパブリックビューイングの解説担当日。開幕時から決まっていたとはいえ、なんという運命のいたずらだろうか。

越山「自分たちの行く末を決める大切な試合を公の場で迎えるのって、他の競技なら過去に例を見ないようなこと。チームをマネージメントする立場としては、事前に何らかの対応を取れなかったことを申し訳なく思う。ただこの件に関しては何らかの対応を取れたとしても、こういう形になっていたと思う。」

そこには村上淳のプロフェッショナルとしての強い意識があったという。

越山「村上さんが『プロならどんな状況であっても、一度受けた仕事は必ず完遂するべきだ。』って。確かにその通りだよね。今まで色々なステージのトッププロと共に仕事をしてきたけど、特に村上さんからはそういう人たちと同じ匂いがする。競技プロとしてどこに出しても誇れるほどの高いプロ意識を感じる。本当に素晴らしいと思う。Twitterは面白くないけどね(笑)」

非常に特殊な状況の中で迎えたパブリックビューイングの解説。

試合はドリブンズにとっては芳しくない方向へと進んで行く。

それはこのおじさん達の顔を見れば一目瞭然だろう。解説という顔ではなく、赤坂ドリブンズのメンバーとしての顔になっている。

越山「ドリブンズの置かれている状況をPVの来場者も分かってくれていて、どのチームのサポーターさんも暖かく見守ってくれていたように僕の目には映った。本当に感謝しているし、一方でエンターテインメントとして面白いものになったんじゃないかなとも思う。あそこまで感情が露わになるプレイヤーを見る機会はあまりないんじゃないかな。ゼウスも、超人も、魔術師も人間、いや、おじさんなんだっていうを目の当たりにできて、来場者には貴重な機会を楽しんでもらえたかなと思ったよ。本来は解説者であるべきなんだろうけどね。」

続けて越山はMリーグに携わる一人の人間として、自身の理想を語った。

越山「例えば今回でいうと、僕は終盤に園田賢ばかり起用した。で、結果的に連敗なんかもあったりして。そういう時に『おい越山!園田ばっか使ってんじゃないよ!』っていう声が上がってもおかしくないなって思ってたのね。サポーターからスポーツ的な熱さが出てくるかもなと。」

しかし予想に反してそういった声は少なかった。

越山「賢ちゃん(園田賢)に対するファンの方々の信頼が厚かったってのもあるかもしれない。麻雀界に訪れた大きなチャンスを、正しく育てようというファンのお行儀の良さであり、麻雀プレイヤーならではの賢さなのかもしれない。でももっと熱くなってもいいかな、と個人的には思ったりした。 Twitterで選手の身の回りで色々なことが起きていることも知っているからなんとも言えないけど、それは麻雀界ではなくSNSという仕組みが内包する問題。他のスポーツを見ていると、もっとファンの方が感情的になってもいいんじゃないかなって。そう考えると、これからもっともっとMリーグは”団体競技”として成長していくと思う。楽しみだよね。」

赤坂ドリブンズによる最終戦のパブリックビューイングが成立したのは来場者のスマートさ、今のMリーグ全体を包む暖かい雰囲気のおかげであることは間違いない。ただ、こういう状況が許されないくらい、白熱した雰囲気が出てくることも競技としての一興なのかもしれない。

2月12日 22:36

ドリブンズにとっての長く険しかったレギュラーシーズン全試合が終了。その結果を受け、辛くもファイナルシリーズ進出が決まった瞬間のドリブンズ面々。PV会場にいる他チームのサポーターに配慮してか、タンバリンを鳴らしながらも神妙な面持ちを保っていたが――

結局は破顔一笑。心の底からの屈託のない笑顔を見せてくれた。

チームスタッフの中には涙したものもおり、彼らが背負っていたものの重さを改めて感じた。

そして、仕事を終えて控室に戻ると、村上もまた涙を流した。園田とたろうもしばし放心状態。うれしさというよりは、とにかく安堵感が勝っているように見えた。

Last one mile

さて、ファイナルシリーズは半分となるもののポイントは持ち越し。ドリブンズはポイント的には最も不利な位置からのスタートとなる。

越山「145pt差ね。(ファイナルシリーズは全24試合だから)25試合によって争われる決勝の初戦が大きなラスだったっていう考え方もできるよね。ちょっと出遅れたぐらいの感じであまり気にしてないよ。」

選手はこの状況をどう捉えているのだろうか。

越山「ファイナルシリーズ進出が決まった後に食事会があってね。これまでかなり不幸なことが重なったから、これ以降の不幸は続かないんじゃない?という話をしたら、賢ちゃんから『大数の法則として確率は収束するけれども、反動とかそういうのはないです。』ってピシャッと言われた。モチベーションを上げようと思ったんだけど、下手な小細工は通用しないね(笑)ほんと頼りになるよ。」

レギュラーシーズン終盤は”頼りになる”園田を多く起用したが、ファイナルシリーズの選手起用について、作戦や構想などはあるのだろうか。

越山「今まで通りかな。木原さん(日本プロ麻雀協会:木原浩一プロ)が麻雀は選択と抽選のゲームだって言ってたんだけど、選手起用にも通ずるところがあるなと思う。目的に向けて最も効率の良い選択をして、あとは当選発表を待つ。麻雀も監督の選手起用も根本は同じなのかなって。ただ選手の起用は、選択に対しての確固たる基準がない中でやらなくてはいけないのが難しい。麻雀みたいに周りの河とか手出しツモ切りといった情報で選べたらいいんだけどね。その少ない情報の中で、選手もスタッフも監督も勝つための準備と考察を重ねる。そしてもっとも期待値が高くなる選択を繰り返す。しいて言うならこれが作戦かな。」

今まで通り期待値を追って。この監督あっての赤坂ドリブンズだということがよく分かった。

越山「皆さんご存知の通りウチの3人はめちゃくちゃに負けず嫌い。予選4位という結果に腸が煮えくり返るほどの思いを抱えているはず。でも気合いとか意気込みというのは表に出すものではなく、内に秘めるもの。おじさんらしく飄々としたフリで貪欲に勝利を目指すよ。」

頂きを目指してドリブンズは突き進む。

Last one mileは、まだこれからなのだ。

Go Drivens!!

 

この記事のライター

阿部 柊太朗
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。
関西を中心に活動している95年生まれのゆとり世代。
Mリーグでは赤坂ドリブンズの記者として活動中。
目指すは未来のMリーガー!

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