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猿川真寿の麻雀観「対人ゲームならではの心理戦が一番の魅力」 Mリーガー列伝(39)

猿川真寿の麻雀観「対人ゲームならではの心理戦が一番の魅力」 Mリーガー列伝(39)

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BS放送局「BSJapanext」がオーナーを務める「BEAST Japanext」よりドラフト1位指名を受けた猿川真寿プロ(日本プロ麻雀連盟)。将棋アマ三段の腕前を持つ将棋愛好家でもあり、チームキャプテンを務める猿川プロの原点とは?

麻雀を始めたのは兄がきっかけ。将棋を始めたのは父がきっかけ

 麻雀も将棋も始めたのは小学2年生、7歳の時だった。「麻雀入門本で、1日1個づつ、1カ月ほどで役を覚えました。4人家族で5歳上の中学1年の兄が麻雀が出来たので、兄と兄の友達と一緒に遊びたい気持ちからだったと思います。覚えてからは兄の友達だけでなく、父の友達ともたまに家で手積みでやるようになりました。最初の頃はルールもあやふやだったので、父の後ろで見ていた時、父がトイツで持っていた牌が出た瞬間にポンって言ってしまったこともありましたね(笑)」

とにかく兄と一緒に遊びたかった幼少期
初めてアガった役満は国士無双。「1索(イーソー)でアガったことは覚えています」(写真中央)

「将棋は父がやっていたので始めました。始めたと言っても駒の動かし方がわかる程度でしたが、将棋を指せる同級生がいなかったので、父や友達のおじいちゃんを相手に指してました」と詰め将棋の本もよく読んでいたそうだ。

Jリーグが創設された年にサッカー部に入部

 猿川プロが中学に入学した1991年はJリーグ元年。地元静岡県では清水FCエスパルス(現 清水エスパルス)が、Jリーグ参加10クラブに入り盛り上がっていた。「兄が中学で卓球部に入っていたから自分も卓球をやるつもりでした。でも、入学した年に廃部になってしまったので、Jリーグ人気の影響もあり、サッカー部に入りました。部活が終わったら、僕の家か友達の家で手積みで麻雀という日々だったので、数学の授業で黒板に数字が羅列されたりすると、数字が麻雀牌に見えてしまう(笑)。方眼用紙にどうやって牌山を積んだら自分に有利な牌が来るのかを研究したりなど、まさに麻雀放浪記の世界でしたね」

中学時代はサッカー部に入部。「ポジションはフォワード。足が早いわけではなかったんですが(笑)」

高校で将棋部に入った理由

 地元の高校に進学した猿川プロは、ある理由があって将棋部に入部した。「運動部は自転車通学OK、文化部は最低週3日活動しないとNGという校則だったので、週3日活動していた将棋部に入りました。家から学校まではバスなら7、8分、徒歩20分程度だったんですが、バス通学が面倒くさかったんで(笑)。そんな動機だったので将棋部はすぐやめ、帰宅部というかほとんど麻雀でしたね」と、この頃から卒業後は麻雀店で働きたいと漠然と思い始めていたそうだ。

年間約3,000半荘、麻雀を打ち込んだ日々

 卒業後はコンピュータ関係の専門学校に通いながら麻雀店でアルバイトを始めた。「朝、家を出たらまず麻雀店に行き、昼過ぎに学校に行って、早退して麻雀店に行くという毎日。なので2年になった時に単位が足りなくなり、留年か中退するしかない状況になったので、麻雀の道に進みたかったこともあり中退してアルバイト先の麻雀店で社員になりました。」

 猿川プロの麻雀の原点は19歳から23歳までの3年半、麻雀店の社員として働いていた期間にあるという。「年間3,000半荘は打っていて、この打ち込んだ日々が自分の麻雀のベースになっています。この頃は井出洋介先生(麻将連合)の麻雀本もほとんど読み、牌効率など基礎的なことも学びました。見る夢の9割以上も麻雀のことでしたね(笑)」とまさに寝ても覚めても麻雀という毎日。20歳の時に日本プロ麻雀連盟17期生として入会し、静岡県から毎月のリーグ戦に通った。

麻雀と将棋。頭脳ゲームとしての共通点は?

 将棋は今も趣味として継続している。「将棋も麻雀も違和感を覚える力が必要だと思っています。将棋なら1カ所だけ違和感のあるところに歩(ふ)を指していると形勢が悪くなるように、麻雀なら関連牌でもパッと見た目で違和感のある牌があった時。たとえば245566と牌が並んでいたら、2に違和感がある。2を持っているんだったら字牌を1枚持っていたほうが見た目もスッキリするような感覚です」

 将棋をやっていたことは麻雀にも役立っているという。「相手の河(かわ)に違和感を覚えた牌が切られている時、その牌がキー牌になっているのではないかと推測していくことから麻雀の読みは始まるので、そこに気づけるようになったのは、将棋をやっていたからこそわかる感覚かもしれません」

麻雀が縁で棋士とも交流

 麻雀の縁で将棋界とのつながりも生まれた。「初めてお会いした棋士は広瀬章人九段(当時七段)。上京してから働いていた麻雀店によく来てくれたお客さんで、将棋アマ5、6段の腕前だった広瀬さんの大学時代の後輩がいて、その人から紹介してもらったのがきっかけでした。初めて会った日に扇子を頂き、セットで麻雀を打たせてもらいました。広瀬さんはタッキー(滝沢和典プロ/KONAMI麻雀格闘倶楽部)のファンだということがわかり、後日紹介させて頂いたところ、広瀬さんが新聞連載されていたコラムに『ファンの心理』というテーマで、やさぐれていた時に滝沢さんと会うことができ、ファンの気持ちがわかったみたいな内容のことを書かれていましたが、私のことはまったく褒めていなかった(笑)」と広瀬九段との縁で、麻雀好きの瀬川晶司六段とも交流するようになった。

石田亜沙己プロと夫婦で経営しているノーレート麻雀店『mono』にて。チームメイトの鈴木大介プロ(左)、広瀬章人九段(右)という豪華ゲストが登場することも

3歳の息子であっても勝負に対して妥協ができない!?

 2016年、同じ日本プロ麻雀連盟に所属している石田亜沙己プロと結婚。現在は小学校1年生の息子さんと3人で暮らしている。「息子は3歳の頃に将棋を始めたんですが、半年ほどでやめてしまいました。私が勝負の世界にいるため、勝負という面においてだけは妥協できなかったことで、負けて悔しいなら勝てるようになるまで勉強しなさい。それが嫌ならやめればいいし、続けたいなら続ければいいと厳しく接してしまったからです。まだ3歳だったので、やめてしまってからはもう少し上手く接することができていたのではないかと自省していました。ただ6歳になってから、将棋にまた興味を持ち始め、将棋教室にも通うようになりました。子供将棋大会に出る予定もあり、楽しそうにやっているので、今はホッとしています(笑)」

Mリーガーになって変化したことは?

 BEAST Japanextはドラフト指名オーディションを勝ち上がった菅原千瑛プロ、将棋と麻雀の二刀流プロで戦う鈴木大介プロ、元乃木坂48の中田花奈プロとの4人編成で、猿川プロはチームキャプテンを務めている。「これまでより実際に打つ時間が減った分、悩んだ局面をチーム全員で多角的に掘り下げるなど、思考力を磨く時間が格段に増えました」

 2023-24シーズン開幕からの戦いを振り返り「Mリーグの流行りというかスピードに合わせ過ぎてしまった感があり、そこは自分らしくなかった。そこに早く気がつけてよかった」とキャプテンとしてチームを牽引していく覚悟だ。

「何事に対しても後悔しないタイプ。嘘をついてまで要領よく生きたくない。思っていることは言ってしまうほうなんですよね(笑)」

対局前のルーティンは?

 猿川流ルーティンは脳を活性化させる時間を持つことだという。「対局前の脳トレとして、移動中にゲームで将棋を指すことはよくあります。棋士の人が対局前に詰将棋をやるような感覚に近いのかもしれません。連敗するとストレスが溜まるんですが(笑)」

 脳を活性化させるために推理小説を読むことも多いそうだ。「東野圭吾さんの小説は読みやすいのでほぼ読んでいて、中山七里さんの小説もよく読みますね。映画やドラマを見る時も、小説を先に読んでから見ないとつまらないので、原作があるのかどうかは見る前に調べています。映画『泣き虫しょったんの奇跡』も、瀬川晶司さんの原作小説を読んでから、公開初日に行きました。なんで大介さんの新刊『頭脳戦の二刀流 49歳からの私の挑戦』も自伝エッセイらしいので読んでみようかなと(笑)」

対局で心がけていることは?

 “逆転の猿”という異名を持つほど、麻雀最強戦などでも逆転劇が多いのは一体なぜなのか。「その局での最善を目指すためにいつも心がけていることは、冷静さを失わず自分を客観視することが大事だと思っています」

 自分を客観視できるようになれたのは、沢崎誠プロ(日本プロ麻雀連盟)からのアドバイスのおかげだという。「30代だった頃、タイトル戦の決勝で戦う私をたまたま見てくれていた沢崎さんから後日『猿川あれは行かないほうがいいよ』と言われたことがあったんです。打っている時はアガれる気がして攻めていたんですが、牌譜で見直したら、これは絶対前に出ないほうがいいという局面でした。あのひとことのおかげで、その局面を第三者が見たらどう思うのかと常に客観視できるようになりました」

猿川プロにとって麻雀の魅力とは?

 「対人ゲームならではの心理戦が一番の魅力です。相手からはこう見えているからこう来るだろう、だから第三者がこう打ってきたのかといった駆け引きが面白い。麻雀も将棋も戦いの中で、自分の思考が相手の思考と一致した時は本当に楽しいですね」 

◆取材:福山純生(雀聖アワー)

猿川真寿(さるかわ・まさとし)プロフィール

生年月日:1979年4月18日
出身地:静岡県静岡市
血液型:O型
所属団体:日本プロ麻雀連盟、BEAST Japanext
キャッチコピー:モンキーマジック
ニックネーム:逆転の猿
主な獲得タイトル:第17期麻雀マスターズ、麻雀最強戦2021 男子プロ鋭気集中 麻雀最強戦2023 最高勝率決戦
趣味:将棋
好きな作家:東野圭吾、中山七里
勝負めし:とんかつ

猿川真寿 年表
年齢 主な出来事
1979 1歳 2人兄弟の次男として誕生
1987 7歳 小学2年で麻雀と将棋を始める
1992 13歳 中学ではサッカー部に入部
1994 16歳 高校時代は放課後に毎日麻雀
1997 19歳 麻雀店で働き始める
2000 20歳 17期生として日本プロ麻雀連盟にプロ入り
2007 27歳 第17期麻雀マスターズ 優勝
2016 37歳 石田亜沙己プロと結婚
2017 38歳 第1子誕生
2021 42歳 麻雀最強戦2021 男子プロ鋭気集中 優勝
2023 44歳 麻雀最強戦2023 最高勝率決戦 優勝
赤羽にノーレート麻雀店『mono』オープン
BEAST Japanextよりドラフト1位指名

 

 

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