- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第十節一回戦A卓
▼対局者
Ⓟ多井隆晴
Bさん:就活生@川村軍団
Ⓟ木原浩一
Ⓟ中嶋隼也
リャンメン×2の1シャンテンにはとるとして、にくっつけば純チャン三色平和の高めダマ跳満まである手牌。は残り1枚しかありませんが、全員が切っているので最後の1枚は山に残っていることが多く、も山に残っていることが多そうです。自分の手牌だけならドラより優先すべきか微妙なところですが、後々まで抱えるリスクはドラの方が高いことからドラ切りに分があるとみます。
を残せばツモで高め678三色に変化しますが、を残してツモならツモりサンアンコテンパイ。ツモもよりはのシャンポンでリーチを打てる方が明確に有利。打ならピンズツモからの二手先変化(ツモ打、ツモでトイツ落としなど)もありますが、一手先の手変わりがさほど多くなく、打点(リーチツモ中赤でも満貫)も待ちの強さ(字牌待ちを含むシャンポンならリャンメンとアガリ率は大差無い)もさほど上がっていないので目先の受け入れを優先して打としそうです。
チートイツ1シャンテンなので受けをみてを残しそうになりますが、打としてもチートイツの待ち頃の牌を引けばを切る手。メンツ手であればを切っているのにを引っ張る手は限られるので、をすぐツモ切りした場合より若干チートイツが読まれやすくなります。は1枚のみなうえ、既に赤1なのでリーチすれば出アガリ6400以上。これなら少しでもチートイツと読まれにくくするに越したことはなさそうです。
ホンイツトイトイまでみて打としそうですが、を切っても高打点が狙いやす仕掛けがきく手なので、待ちや打点を特定されにくくすることでアガリやすくする狙いでしょうか。
チーテンでリャンメンテンパイに取れるのでスルーした方がアガリやすそうですが、打点上昇と他家への牽制。点数状況的にも守備を考慮する必要性が薄いことからも鳴きでしょうか。
結果的にはこの局は西家が東家から7700点のアガリ。トップ争いが混沌としてきました。次回に続きます。