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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討  第37回

ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討 第37回

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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第八期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第1節1回戦B卓

▼対局者
多井隆晴
石橋伸洋
ASAPIN
小林剛

 次節(11月30日)まで期間が空くので、これまでの対局の中で気になった局面を取り上げていくことにします。

牌譜はこちら

 前局アガったダントツが更に好配牌。この手なら真っ直ぐアガリに向かうところです。

 を落とす手もありますが、ドラツモからの変化でポンテン満貫リャンメンテンパイの形に取る手順もあります。局面上2000点と3900点には大差ないので、比較的トイツが鳴きやすいといってもリャンメン残しが基本でしょうか。

 チーしてリャンメンテンパイが取れるのでスルーした方がアガリやすい形。ポンした方が打点で勝るので、加点重視の局面ならポンします。ここまでリードしているならいっそポンする手もありそうですが、こちらの2フーロにを打ってきた東家にもそれなりの手が入っている可能性が高いので、親の現物を残してスルーが無難でしょう。

 のチーテンもあるので打がアガリやすいですが、くっつき1シャンテン同士の比較なのでドラそばのを残してもアガリ率はそれほど落ちません。
 しかし西家が2フーロしてトイツ落とし。トイツより優先するターツかトイツが揃っている1シャンテンか、打の時点でメンツが完成したテンパイ。西家が1シャンテンならテンパイ時にドラそばが待ちとして残りやすいことも踏まえると打でしょうか。結果的には西家は次巡テンパイ。ここで切っていなければ振り込みでした。

 南家はメンゼンなら高打点が狙えるリャンメン×2の1シャンテンでしたが、テンパイの可能性が高い鳴きが入ったとなると安手でもテンパイにとっておきたいところ。ただ順位的には他家にアガられる損失も小さく、他家の仕掛けが高打点の可能性も特別高いということはなさそう。満貫ツモでトップに届く点差ならスルーが有力だったように思います。

 西家からが出て2000点のアガリ。スルーならこのでテンパイが入っていましたが、の残り枚数的にアガれた可能性は低そう。リスクを冒して高打点を目指しても結果的にトップを捲るのはかなり厳しいこともありこれでよしというところでしょうか。次回に続きます。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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