- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第一節三回戦B卓
▼対局者
Ⓟ小林剛
Bさん:福地誠
Ⓟ石橋伸洋
Dさん:コーラ下さい
一見安手で悪形残りの仕掛けに見えますが…
でも(三色同刻)でも出アガリ7700のテンパイに。今回は1000点にしかならない仕掛けだとしても鳴いて問題ないところではありますが、鳴いた先に高打点の変化があるならなおのこと積極的に鳴いて手を進めます。
メンツ候補オーバーにつき先にを引かなければが出ていく形。それなら安牌のを残した方が先手を取られた場合にも押し返しやすいのでかえってアガリやすいまであるかもしれません。
3枚見えで、なら打でリーチすることが多い、見えていないドラはのみとなるとくらいは切りそうですが、巡目が深くテンパイ時に出ていくのが両無スジのということもあってか慎重に現物切り。
役無し単騎テンパイ。1枚切れで内側の牌ということもあり反射的に打ダマとしそうですが次巡ツモ。から切っていれば待ち3メンチャンに受けられました。
東家はをチーして打でテンパイ。他家視点からみればのリャンカンをメンツにする2フーロ目なので、打でテンパイした可能性が高いと読むのが自然。仮に東家が打の時点で手牌がのように待ちでないテンパイだとして、をツモったらどうするか…待ちに見せかけるためにを空切りするのではないでしょうか。逆に待ちならツモ切りするのではないでしょうか。
…そうです。打の時点でテンパイと読んでくる他家にとっては、むしろを手出しした方がかえって待ちはないとミスリードできるかもしれないのです。初見では何故をわざわざ空切りしたのが疑問に思いましたが、「その疑問がそのまま答えです」と言い返されたような気になりました。
北家から切りリーチが入り。よりが早いのでは通りやすいと判断した南家から出アガリ。がツモ切りならが出なかったかどうかは分かりませんが、「黒いデジタル」の技を見せつけられた一局でした。