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ネマタの天鳳名人戦牌譜検討  第31回

ネマタの天鳳名人戦牌譜検討 第31回

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ネマタの天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第一節三回戦B卓

▼対局者
小林剛
Bさん:福地誠
石橋伸洋
Dさん:コーラ下さい

牌譜はこちら

31-1-min

 一見安手で悪形残りの仕掛けに見えますが…

31-2-min

 でも(三色同刻)でも出アガリ7700のテンパイに。今回は1000点にしかならない仕掛けだとしても鳴いて問題ないところではありますが、鳴いた先に高打点の変化があるならなおのこと積極的に鳴いて手を進めます。

31-3-min

 メンツ候補オーバーにつき先にを引かなければが出ていく形。それなら安牌のを残した方が先手を取られた場合にも押し返しやすいのでかえってアガリやすいまであるかもしれません。

31-4-min

 3枚見えで、なら打でリーチすることが多い、見えていないドラはのみとなるとくらいは切りそうですが、巡目が深くテンパイ時に出ていくのが両無スジのということもあってか慎重に現物切り。

31-5-min

 役無し単騎テンパイ。1枚切れで内側の牌ということもあり反射的に打ダマとしそうですが次巡ツモから切っていれば待ち3メンチャンに受けられました。

31-6-min

 東家はをチーして打でテンパイ。他家視点からみればのリャンカンをメンツにする2フーロ目なので、打でテンパイした可能性が高いと読むのが自然。仮に東家が打の時点で手牌がのように待ちでないテンパイだとして、をツモったらどうするか…待ちに見せかけるためにを空切りするのではないでしょうか。逆に待ちならツモ切りするのではないでしょうか。 

 …そうです。打の時点でテンパイと読んでくる他家にとっては、むしろを手出しした方がかえって待ちはないとミスリードできるかもしれないのです。初見では何故をわざわざ空切りしたのが疑問に思いましたが、「その疑問がそのまま答えです」と言い返されたような気になりました。

31-7-min

 北家から切りリーチが入り。よりが早いのでは通りやすいと判断した南家から出アガリ。がツモ切りならが出なかったかどうかは分かりませんが、「黒いデジタル」の技を見せつけられた一局でした。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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