(3)手牌A,Bのように、浮き牌をスジで持つ場合や近くに面子候補がある場合は浮き牌の価値が下がる場合は分かりやすいですが、似たような形でも手牌Cの場合はアンコなのでを切った場合の引きにフォローがなく、むしろ待ちとして残った時の強さでを残した方がよいというのは気づきにくいです。アンコスジになっているので早めに切りたくなるのもあり、知らないとなかなか選べない選択ではないでしょうか。
手牌Dについて。私は一般論としては、面子候補ができるツモが1種多いこより、リャンカンができるツモを優先した方が、アガリに近い段階での受け入れで有利になりやすいと考えます。
ただし今回は、リャンカンができた時に出て行く牌が。は678,789三色が狙えるので浮き牌としてまずまず強いです。また、今回は面子候補は足りていて雀頭がない形なので、を引いても2シャンテンのままで、1シャンテンになるのは新しく面子か雀頭ができた場合。
ツモなら切っていてものリャンカンが残りますし、ツモなら受けがない代わりにマンズの良形変化が残るのでを切っていてもそれほど手牌の形が劣るわけではありません。「もっと勝つための現代麻雀技術論」第71回、第74回で取り上げましたように、「くっつきで面子候補ができても、残りの浮き牌が特に価値が高い等の理由で、できた面子候補より優先的に残す」ことがある場合に該当するともみなせるので、今回は面子候補ができるツモが多い打でしょうか。
(4)手牌A〜Cとも、「面子候補は足りているが雀頭がない」形なので、面子は作りにくいが雀頭を作りやすい浮き牌の価値が上がることになります。
基本は面子ができやすいように牌を残していくので、雀頭がない場合に245の2を残すといった選択はどうしても盲点になりがちです。ただし、既に小林プロがブログ上で訂正されているように、手牌Cについては、良形聴牌になる受け入れを重視して、よりはを切ります。
【修正】コバゴー本何切る【お詫び】 - こばごうのコレ切ってアレ食って
(5)リャンメンカンチャンの形が見落とされやすいのは、134556とあると先に345+56の形が見えるので、135+456と分けると2の受け入れがあるということに気づきにくいためです。123三色や一通がある場合は見落とされにくいことからもそのことがうかがえます。
「もっと勝つための現代麻雀技術論」では、リャンメンカンチャンやリャンメントイツのような面子候補を、「3枚からなる面子候補」として、リャンメンターツやカンチャンターツといった「2枚からなる面子候補」と区別しました。
3枚からなる面子候補について、多メンチャン形のように面子を取り出して受け入れを確認しようとする方も見受けられますが、今回のような形では受け入れを見落とす原因にもなります。34556のような順子+2枚からなる面子候補に1枚加わって、順子+3枚からなる面子候補になっているとみなすと分かりやすいのではないでしょうか。
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ツキ、流れ、勢いといったあいまいな表現を嫌ってきた著者の明晰な頭脳で、麻雀を論理的に限界まで語りつくされてます。