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ネマタの戦術本レビュー第236回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その7」

ネマタの戦術本レビュー第236回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その7」

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テーマ10

 今回のようにどちらを切っても大きな裏目がある場合は、裏目の痛さを比較しようとすると結論を出すのは難しいです。麻雀講座第14回で申しましたが、このようなケースは、どちらを切っても手が進む共通の受け入れのうち、手が進んだ時の手牌が異なるもの同士を比較すると分かりやすいです。今回の手牌であればが該当します。

 もしが赤で無ければ、を先に引けば3メンチャンとはいえ、メンタンピンの可能性が1/2×2/3=1/3、メンタンの可能性が1/2×1/3=1/6、メンピンの可能性が1/2×2/3=1/3、リーチのみの可能性が1/2×1/3=1/6。一発ツモ裏込みの平均打点がそれぞれ6000点、4600点、3500点、2500点程度なので全体の平均打点は約4350点。

 一方打としてツモならリーチ一通ドラ1なので平均打点は約9000点。3メンチャンリーチとカンチャンリーチであっても、3メンチャン側のアガリ率は2倍まではいきませんし、先にをツモるならなおのこと一通狙いが有利。それなら本書の解説通り打がよいのではないでしょうか。

 が赤で祝儀無しの場合、同様にアガった場合の平均打点を出すと、打は約6800点、打は約10800点。打点が1.6倍程度となると、ツモの場合は打が若干よさそうです。ただし先にをツモる場合もありますし、テンパイする受け入れでは打の方が勝るので微妙なところ。祝儀比率が高ければ一通を見切るが祝儀無しならまだ打というところでしょうか。

 というわけで祝儀比率が高いルールであれば打…といいたいところですが、実はもう1つ、打という選択肢があります。受け入れ枚数は打と比べて2種5枚(はドラ表示牌なので残り2枚)減りますが、打としても完全1シャンテン以上にアガリやすく、巡目が十分にあれば打としてもアガリ率は精々カンチャンリーチと同程度というところなのでアガリ率の低下はさほど気になりません。それならドラ重なりの高打点受け入れ、またツモでドラ使い&高め123三色への変化が残る打の方がよいのではないでしょうか。

 まとめると、問題の手牌であれば、祝儀比率が低い(2000点以下)なら打、祝儀比率が高い(5000点以上)なら基本打、打点があまり要らない場合や、将来危険になりやすいドラを特に先に切っておきたい理由があるのであれば打というのが私の見解です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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