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ネマタの戦術本レビュー第379回「麻雀序盤の鉄戦略 著:独歩 しゅかつ すずめクレイジー 平澤元気その4」

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 ケース7

 ABCいずれも打 ペンチャンと3〜7の浮き牌の比較については昔からよく問題にされるところですが、問題にされる程度には、メンツができる確率は大差ないということをまずは押さえておきましょう。
 この確率はツモだけを考えたものなので、テンパイすれば他家から出アガリが可能であることを考慮すると、早い段階でテンパイできる可能性が高いペンチャンが若干有利と言えます。降りる他家からは出アガリは期待できないとしても、リーチによって他家を足止めすることができるメリットがあるので、アガリ率の面ではやはりペンチャン有利になりやすいです。
 とはいえ、それでも大差があるわけでもありません。一方の浮き牌も通常の3〜7の浮き牌と同程度であれば、共通のメンツ候補がメンツになった場合。ペンチャンテンパイと3〜7浮き牌2組の1シャンテンになり、リャンメンテンパイになる受けが4種では前者有利ですが、これが手変わり待ち有力になるほど一方の浮き牌が価値が高いのであれば、ペンチャンを残して得するのは先にペンチャンが埋まった時なので、基本的にペンチャンを外します。もちろん、巡目が深くなるほど即手が進む可能性があるペンチャン残し寄りになりますが、このあたりは今後の研究課題と言えそうです。
 牌姿ABはドラそば、タンヤオで明確に通常の3〜7より価値が高い浮き牌とペンチャンの比較なので浮き牌残し有利。早い段階でテンパイすることの有利性を考慮するとCは迷いますが、それでもは3メンチャン、はイーペーコーの可能性と通常の3〜7よりは価値が高く、巡目に余裕があるのでペンチャン落としとしました。

 ケース8

 打 19牌と役牌の比較。メンツ候補が足りているなら悪形メンツ候補しか作らない19牌はほぼ不要牌につき役牌を残しますが、4ブロック以下でどうするかも見解が分かれるところです。
 基本的にメンツが少ない場合ほどメンゼンでテンパイしにくいので、重なりで役がつくように役牌重視。ドラが多くあるほど、鳴いても高打点のためメンゼンで進めるメリットが小さい手ほど役牌を重視することになります。
 今回は既にドラ3あり、メンツはアンコのみと、メンゼンでテンパイしづらく、鳴いても高打点になりやすいことから役牌よりを先に切る方がよいとみます。
 一応雀頭が無い形なので、役牌を重ねてポンした後再度雀頭を作る必要があることから雀頭有りの形に比べれば役牌の価値は低くなっているとも言えます。しかし前述の要素に比べれば影響は小さいので判断を変えるほどではないでしょう。
 打ならチャンタも残りますが、チャンタには他に雀頭とメンツ候補が1つずつ必要で、チャンタの雀頭である役牌がトイツになるようなら役牌ポンで1翻つくことからチャンタを残す必要はないとみます。役牌があるからなおのこと狙いたいホンイツと、役牌があるならそこまで無理して追う必要がないチャンタ。鳴いて2翻か1翻かの差が大きいですね。

本記事に関するご紹介

例えば非常にいい配牌をもらったとき、これは一直線にアガリに向かえばいいだけなので、中級以上の打ち手であれば差がつきにくいですし、最終的にはロジカルに正解がでる部分です。
問題は悪い配牌をもらったとき。この場合はアガリに向かうのか守備に重心を置くのか、アガリに向かうにしてもどの手役を狙うのか(どの手役も遠い)、第1打から考えるべきことが多くなり、不確定要素も増えます。そしてこのジャンルは麻雀研究においても未開拓の分野です。
そして、この「超序盤の戦略」こそ、強者と弱者の差がつく、残された分野なのです。
 
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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