第4章 一番大切な押し引き
「手組」の段階は一打のミスが結果的に失点にならないことも多かったですが、他家のテンパイが入っている「押し引き」の段階ではミスが直接失点になることが増えます。「押し引き」の重要性を広め基本的な判断基準を示したというのも、従来の戦術書に見られなかった本書の特徴と言えます。麻雀をこれから覚えようという方は、「手組」については基礎に留めて、「押し引き」を優先的に学ばれることをお勧めします。
相手より安くても有利かも
本書を読む前の私は、追っかけリーチはほとんど打たないタイプの打ち手でした。まさに、少なくとも相手と同じくらいの手でなければ勝負できないというよくある誤解をしていたのです。
「先手、良形、高打点。このうち2条件が揃ったら押せ」という格言があります。押し引きの基礎を端的に示している名言として未だに重宝されている向きがありますが、この言葉も同様の誤解を生む恐れがあります。1対1の勝負としても和了が2パターンなのに対して放銃が1パターンしかないことを考慮すると、実際は1つでも条件を満たせば押せることが多いのです。
相手より高くても不利かも
先手、良形、高打点。1つでも満たせばよいと言いましたが、後手と言ってもノーテンの場合は、良形、高打点の1つしか満たさない場合は降りた方がよいことが多いです。勝負になりそうな手牌ほど押し、そうでないなら引くというのは当然のことですが、問題は、「どのような手が勝負になると言えるか」を正しく把握できることです。従来の戦術書では、「先手」であることが過小評価され、「高打点」が過大評価されていたことに問題があったのです。
有利、不利はどう判断するべきなのか
先制でテンパイしても途中で誰かのテンパイが入った場合は「後手(テンパイ)」とするならば、「先手(テンパイ)」なら全部押し(低打点悪形テンパイでもリーチでよいということ)、「後手(テンパイ)」なら良形、高打点のどちらか1つで押し、「後手(1シャンテン)」なら良形、高打点両方揃ったら押しといのが一つの目安になります。
最近の研究で、実はもっと押せる領域が広いということが判明したのですが、押すか引くか境界線上の領域は条件次第で判断が変わりやすいものです。初心のうちは降り過ぎる打ち手より押し過ぎる打ち手の方が多数派なので、押してよいギリギリのラインより、多少条件が変わっても押し有利と言えるラインに基準を置くことをお勧めします。
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