01
三麻は四麻に比べて字牌が重要というのは確かです。しかし、それは他家にとっても同じです。自分の手牌が比較的字牌の価値が低いのであれば、四麻以上に「字牌の価値が高い手牌になっている他家に重ねられる前に切る」ことも必要になります。
本書の切り順は、字牌重なりからホンイツに移行する手順がある場合の話です。もしホンイツを狙わないのであれば、客風は他家に重ねられて鳴かれる可能性があるのでより先に切ります。
ターツが足りてなくてホンイツを狙わないなら客風よりはを残すところですが、メンツやリャンメンターツが多くメンゼンでテンパイしやすいなら役牌よりを残すことも考えられます。このあたりは厳密な基準を作ることは難しいですが、ホンイツにしないのであれば、チーができない三麻では役牌を重ねてポンしても四麻ほどアガリやすくなりません。
しかも、数牌の数が少ないということは、四麻以上に数牌からシュンツが作りやすく、メンゼンでテンパイした場合の一発、裏ドラも期待しやすいということです。字牌の価値が高い手牌ならそもそも四麻でも字牌を残しつつ打つので、四麻の知識がある程度ある人が三麻を覚えるうえでは、字牌の価値の高さよりは、元々字牌の価値があまり高くない手牌なら、なおのこと字牌から切ることを押さえておいた方がいいと思います。
02
三麻は四麻より高打点の手が作りやすく大逆転も起こりやすいので、「運要素が高い」というのも確かです。しかしながら本書に書かれている通り、対戦相手が一人減るので技術介入度は高くなります。「運要素が強い」と、「実力差が出やすい」は必ずしも相反する概念ではないことに注意が必要です。
「読みの精度」が高くなるというのもその通りです。言い換えれば、個別の状況によらないセオリーをそのまま適用できる局面が四麻に比べると少ないということです。普段は四麻しか打たない人でも、どんな手牌からでもアガリに結びつける技術や、個別の局面に対応する技術を身につけるために三麻をやってみるのもよい勉強になるのではないでしょうか。
本記事に関するご紹介
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