- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第1章 テーマ 7
字牌待ちはリャンメンと同程度にアガリやすい」「アガリ率に大差なければ高打点受けを残す」「アガリ牌の枚数が少ないほど場況の影響を受けやすい」。これまで学んだ知識を活用していけば自ずと正解が選べたと思います。
明らかに字牌待ちがアガリにくいと読める局面があるにもかかわらず、平均的にはリャンメン待ちと同程度ということは、字牌待ちが特にアガリやすいと読める局面もあるということです。例えばリーチに対して押している他家が一転してを手出ししてきたら、をトイツ以上から落として回った可能性が高いと言えます。もしが切られた直後に問題3の形でテンパイしたら、の放銃リスクがあるとはいえオリ打ち狙いの単騎リーチが面白いのではないでしょうか。たまたま単騎も選べる形でテンパイしている必要があるので滅多に起こらないですが、一度くらい実戦で決めてみたいものです。
第1章 テーマ 8
一昔前は、「シャンポンよりカンチャン」と言われていて、研究からシャンポンの方が有利と判明しても異論が多かったと記憶しています。「中張牌の無スジはどうせ出ないからと、シャンポンは待ちが2種類あることを過小評価していた」「自分でアガリ牌を使っているシャンポン待ちの方が山に残っているかどうかは読みにくい」「シャンポンを過大評価するのは初心者によく見られるので、カンチャン重視の方が上級者らしい」…カンチャン有利説が根強かったのはこのあたりが理由でしょうか。
「宣言牌は内側有利」はあまり意識していませんでしたが、確かに手組は外→内より内→外の順に切られるパターンの方が少ないため、後者の方が待ちを絞られやすくなります。微妙な差とはいえ、他により優先すべき要素がないのであれば判断に組み込むに越したことはありません。
問題4は打リーチ。『統計学のマージャン戦術』38ページより、無スジ456の4枚と無スジ19の2枚なら後者の方がアガリ率で勝ります。枚数が少ないほど場況の影響を受けやすいこともあり実戦的には選びにくいですが、今回は他家に使われやすいと読める要素も特に無いのでシャンポン有利と判断しました。
場況を見抜く!超実戦立体何切る
本書は平澤元気プロによる立体何切る問題集です。麻雀の「何切る問題」には大きく分けて2種類あり、自分の手牌だけの情報で受け入れ枚数が最も多くなるような牌を選ぶ「平面何切る」と麻雀の実戦さながら、相手3人の捨て牌やポン・チーの情報などを全て加味した上で何を切るかを選択する「立体何切る」があります。
麻雀界ではここ1、2年で「平面何切る」の良書が数多く出版されたこともあり、平面何切るにおいてはかなりレベルの高い知識が共有されています。
ではその中で差をつけるものは何でしょうか?その答えの一つが「立体何切る」です。
立体何切るでは、平面何切るの知識に加えて、河、点数状況、今が何局目であるか、といった多くのファクターを考え合わせた上での最善手を導き出す必要があります。
本書は現代麻雀の立体何切る問題集として先陣を切るものであり、本書の内容をマスターすることで一群から抜け出す雀力を身につけられるはずです。
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