麻雀ウォッチ

日本最大級の麻雀専門ニュースサイト!プロ雀士やイベントの情報をはじめ動画やマンガ・アニメ、アーケードゲーム情報まで麻雀関連の事柄全てを網羅します

スリアロチャンネル
ネマタの戦術本レビュー第708回「場況を見抜く!超実戦立体何切る 著:平澤 元気 その5」

ネマタの戦術本レビュー第708回「場況を見抜く!超実戦立体何切る 著:平澤 元気 その5」

CABO求人麻雀BarWatch
ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第2章 テーマ 9

 モロヒッカケの筋待ちは筋全体と比べて明確に放銃率が上がります。『統計学のマージャン戦術』(152ページ)によると、放銃率はモロヒ筋37>無筋19>モロヒ筋28>筋37と、モロヒかどうかで安全度が逆転することが分かります。
 それなら先制リーチのアガリ率も、モロヒかどうかで結構変わりそうですが、同書の77ページによると、モロヒの方がアガリにくくなるとはいえ大差なく、無筋カンチャンよりは明確にアガリやすくなっています。
 実際は5→1と切って2待ちのように、「分類上はモロヒッカケではないがそれ以上に警戒されやすい」ケースもあるので、「筋待ちが読まれそう」なリーチのアガリ率は実際にはもう少し低くなりそうですが、それでも他により有力な選択が取れないことが多い以上、基本はモロヒッカケでも気にせずに即リーチします。


 問題2はツモのタンヤオも含め手変わり7種。リャンメン変化で平和がつき、ダマでもツモアガリはできるので質、量ともにダマで手変わり待ちに分があります。手変わりを待たずに即リーチした方が多くの場合有利なのは確かですが、手変わりが極めて強力なために「即リーチが大きなミス」になる牌姿を想定すること自体は難しくありません。テンパイ即リーチは簡単に実行できるからこそ、実戦ではリーチを打たない方がよいケースを見抜くことに力を入れることをお勧めします。


 問題3は打リーチ。『統計学のマージャン戦術』でも、残り2枚の筋28と残り4枚の無筋カン4なら前者の方がアガリ率で勝ります。2枚切れならからは打リーチと読んでくる打ち手も多いので、モロヒであることによるアガリ率低下の影響は更に低くなるとみます。


 ただし、テーマ8のケースよりもアガリ率は微差です。今回は場況的にもが使われにくそうなのでカンを選びましたが、筋待ちに受けない方がツモアガリしやすい分打点面で若干有利であることも踏まえるとかなり微妙かもしれません。

 

第2章 テーマ 10

 問題1はどちらかと言えばリーチ有利とみますが、問題2、3に関しては、リーチは明確に損と判断します。テーマ9でも触れましたが、多くのケースでリーチ有利とはいえ、リーチしない方が大差で有利になるケースは案外少なくないものです。


 悪形でも基本はテンパイ即リーチも浸透するまでに結構時間がかかったセオリーですが、テーマ5でも触れたように、例外的なケースほど印象に残りやすい(そして実際に大差がつきやすい)ことが原因でしょう。繰り返しになりますが、一般論を踏まえたうえで、例外は例外として対応できるように力をつけましょう。

 

場況を見抜く!超実戦立体何切る

本書は平澤元気プロによる立体何切る問題集です。麻雀の「何切る問題」には大きく分けて2種類あり、自分の手牌だけの情報で受け入れ枚数が最も多くなるような牌を選ぶ「平面何切る」と麻雀の実戦さながら、相手3人の捨て牌やポン・チーの情報などを全て加味した上で何を切るかを選択する「立体何切る」があります。

麻雀界ではここ1、2年で「平面何切る」の良書が数多く出版されたこともあり、平面何切るにおいてはかなりレベルの高い知識が共有されています。

ではその中で差をつけるものは何でしょうか?その答えの一つが「立体何切る」です。

立体何切るでは、平面何切るの知識に加えて、河、点数状況、今が何局目であるか、といった多くのファクターを考え合わせた上での最善手を導き出す必要があります。

本書は現代麻雀の立体何切る問題集として先陣を切るものであり、本書の内容をマスターすることで一群から抜け出す雀力を身につけられるはずです。

 
平澤 元気
単行本:1,663円
Kindle Unlimited
 
 

購入はこちら

 

 

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

新着記事

Return Top