- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章
Q4
字牌はシュンツを構成しないので、数牌に比べ序盤から早く切られる傾向にあります。逆に言えば巡目が深くなっても場に見えないとなれば、手作りの過程で字牌が他家に使われた可能性が高くなると言えます。
また、リーチされた後でも、数牌待ちは周辺牌が切られる事で当たる組み合わせが減りますが、字牌待ちにはそれがありません。このことからも終盤ほど字牌が危険になりやすいと言えます。
ただし、リーチ後に関してはリーチ以外の他家が降りて生牌字牌を止めているケースもあるので、後者よりは前者の影響の方が大きいと言えます。
よって一概に終盤といっても、「終盤リーチ」と、「序盤リーチがもつれて終盤になった」場合の比較であれば、前者の方が後者より字牌の放銃率が高まると言えそうです。結論が変わるほどではないとみますが、どの程度の影響があるのか気になるところです。
Q5
ドラであっても字牌よりまだスジの方が放銃率が高いことが意外でしたが、これは特に待ちを絞りやすい要素が無いリーチを想定しているというのもありそうです。シュンツを構成しない字牌ほど、ドラという理由で残される頻度が増えるので、ドラでない場合と比べた場合の放銃率の上昇度も高まります。
序盤であれば他の牌を切るよりはマシという理由で対リーチにドラ字牌を切ることもそれなりにありそうですが、中盤以降となれば、「マシな選択が他にある」つもりでリスクを回避することを考えた方がよさそうです。ドラでなくても字牌の危険度が高くなる終盤はなおさらですね。
Q6
アンコスジでも放銃率がほとんど変わらないのは、リャンメン待ちが残っている可能性は高まるとはいえ、シャンポン、単騎待ちの可能性は減るためです。これが中張牌となるとカンチャン、ペンチャンもあるため放銃率が高まり、今回のケースほどアンコ3連打一択とも限らなくなります。外側牌等無スジでもそれなりに通りそうな牌がある場合、トイツやスジかぶりの牌を落とすことでも安牌を増やせる場合はなおさらです。
アンコスジが危険とされてきた理由には、「もしその牌で振った場合、切らなければアガられずに済んだ可能性が高い」という事情もあります。降りたいけれど点数状況的にツモられても大差無いという局面であれば考慮に入れることもあるかもしれません。
知るだけで強くなる麻雀の2択
(担当編集より)この本では、麻雀を打っていて迷いがでやすい2択の場面を扱ってます。
なぜこの本を作ろうと考えたか、それを最初に説明させてください。実は私は、雑誌近代麻雀で多くの麻雀プロにコラムを書いていただいているのですが、その中でとても勉強熱心なプロが『ション牌の字牌とワンチャンスだったらどっちが当たりにくいのか、スジと1枚切れの字牌だったら? というデータをきちんと知りたい』と書いていたのです。
いざ本を作り出すと、梶本氏による過去になかった2択やみーにん氏による新しいデータをたくさん入れることができました。ぜひとも麻雀の基本をマスターし、かつそれを応用してデータと違う選択もできるようになっていただければと思います。
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