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ネマタの戦術本レビュー第953回「『麻雀の失敗学』編 その1 著:朝倉康心」編

ネマタの戦術本レビュー第953回「『麻雀の失敗学』編 その1 著:朝倉康心」編

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

失敗学1 図1のケースは良形テンパイになる受け入れは打も打も同じ。の鳴きやすさが何となく前者の方が高いという程度なら打としそうです。図2は打リーチ。同じスジ待ちなら、他家から見て宣言牌がフォロー牌に見えない方を切ります。

図3は点数状況、リーチ者の打ち筋を考慮せずとも、雀頭、ツモ雀頭の無いより手広い1シャンテンになることを期待してが残されたケース。雀頭の無い1シャンテンでと持っているところからをツモって打リーチのケースが考えられます。雀頭周辺の牌だったケースが一定数あるうえに、+ターツ+雀頭のケースだとしても残りのターツが悪形なら待ちにならないことの方が多い。そのうえ、確実に順位を上回れる手が入っているとは限らないとなれば、「が本命」という読みが仮に正しかったとしてもまだ「押し」に分があるとみます。

しかも実戦では本書の記述通り、ソバテンを否定できる要素が多々あります。アガリのリターンが極めて大きい局面だからこそ、「教科書通り」の読みに留まらず、通せる理由を探すことに集中したいものです。

失敗学2 満貫は3着止まりですが、跳満ならツモで2着に届くので、個人的にはシンプルに打としそうです。基本は長考で他家に手牌を読まれるリスクより、手拍子のミスを防ぐために重要な局面では時間を使った方がよいものですが、「一見テンパイに見えるが長考でノーテン、あるいはテンパイの場合も待ち選択の余地があった手牌である。」と読まれてしまう場合は大きな傷になります。これを防ぐためには、一手前の段階で、何をツモったら(もしくは何を鳴いたら)何を切るかを予め決めておく必要があります。

余談になりますが私の失敗談。場所はゆるゆる麻雀会。上家の方が序盤からとポン。こちらはソーズのチンイツが狙えるまずまずの勝負手でしたが、いきなりを切ってポンされたら周りの方に顰蹙を買いそうなこともありを抱えていたのですが、3フーロ目の待ち選択で上家の方が長考の後、チンイツ赤の跳満にテンパイに取れる牌が切られます。長考してくるなら待ちはないだろうと勝負したのですが、結果は小三元で満貫放銃。長考の理由はこちらの仕掛けにソーズが危険なので押すかどうか迷ったというものでした。手牌だけなら迷わない待ち選択も、打ち手と局面次第で長考が入る余地があることを失念していたのも反省点ですが、そもそも以外は何でも切り飛ばしていくつもりの手なら、顰蹙を買うことを恐れずすぐに切り飛ばすべき(逆に言えば、たまたま早い段階でホンイツやトイトイ、ドラドラの満貫手に放銃することも許容できない手ならを止めるべき)でした。

朝倉康心の『麻雀の失敗学』

失敗こそ進歩のチャンス!
麻雀プロの戦術本で、自分のドヤ牌譜、アガった名牌譜に焦点を当て語ったものは過去に数多くありますが、自分の「失敗譜」だけに目を向けそれについてひたすら語った戦術本はありません。なぜでしょうか?それは失敗は恥ずかしく、またそれを明かすことは自分が弱いと思われかねないからです。

しかし日本で唯一「天鳳位」を2回獲得、Mリーグ2018でトッププロ相手に178.8ポイントの好成績を残した朝倉康心なら、その心配はありません。著者自身のツイッターも、失敗譜の反省にまみれてます。そんなことから生まれた本書ではMリーグの実戦の失敗から新たな『常勝理論』が語られてます。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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