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ネマタの戦術本レビュー第989回「『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』編 その10 著:お知らせ」

ネマタの戦術本レビュー第989回「『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』編 その10 著:お知らせ」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

PART4 副露読み

1 副露手の復元作業

3つポンされれば誰しもトイトイを想定しますが、実は問題の条件で北家がトイトイでテンパイしている可能性が皆無というのは知らなければ衝撃的な事実ではないでしょうか。復元作業の重要性を知らされる一例です。

トイトイでないうえに、トイツより優先して残されるターツがあることからリャンメン待ちであることも確定します。ここからは不確定ですが、点数が平たい状況でこの手材料でトイトイに受けずにリャンメンを残すとなれば、ドラ雀頭か赤5含み雀頭、ターツ部分も赤5絡みで3〜4翻手の可能性が高いと言えそうです。待ち読みが出来ないとしても、ここまで手牌構成を絞れるなら押し引き判断のうえでも大いに役立てることが言えるので、副露読みの重要性を改めて知らされます。

2 副露手のSランク情報

①手組のうえで不要な数牌よりは安牌になりやすい字牌を残すのがセオリーですが、(1)(2)のように手牌構成を絞られやすくなるというデメリットもあります。読みを入れられる立場の話になりますが、序盤で特にアガれた時のリターンが大きい手牌については、安牌候補を残すことにあまりこだわらず、必要性の低い数牌を残して河を作ることも考慮に入れます。ブロックが薄くなって新しいブロックを作る必要性が出来る場合や赤5引きがあるので、厳密な意味で不要になるわけではないというのもあります。

②⑴はもちろん、⑵も押さえておきたい重要なセオリー。本書の牌姿のような例外は意識してなかったので頭に入れておこうと思いました。フォロー牌は1手でターツを作る浮き牌としての性質も依然残っているということは何かと忘れがちです。

③⑴一般的に「関連牌」と言われる場合はフォロー牌を指しますが、空切りスライドでメンツの一部であるケースもあります。前者と後者の区別かつくかどうかも副露読みの精度に関わります。

⑵「ターツ落としに食い延ばし無し」はよく聞くセオリーですが、本書で指摘されている通り、「シャンテン数の進む」食い延ばしに限ることに注意が必要です。ターツ落としが入ることで「シャンテン数の変わらない食い延ばしなら有り得る」というところまで押さえておきましょう。

⑶例外としては他に、高目期待で安目スルー、手牌構成を読まれることを嫌ってスルー等があります。時折後者を理由としてスルーしてテンパイにとらない選択を推奨する記述を見ることがありますが、前者の理由と合わせてスルーすることはあっても、後者だけを理由としてテンパイに取らない選択は基本的に考慮する必要はないと考えます。

例題は当たり牌が読まなくても、当たらない牌が読めるだけでも押し引き判断に大きく影響することが分かる好例です。高打点の仕掛けが入っている時こそ、安易にベタオリするより前に待ち候補を絞れないかどうかを意識しておきたいところです。

鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム

「麻雀は考えるのが大事とよく言われます。では実戦でどうすればより良い思考ができるでしょうか。答えは単純で、『考えられた結果を手が勝手に出力する』ようにすること
です」(まえがきより)

麻雀とは人間の処理能力を超えた情報量を与えられ、限られた時間でそこから最適解に近いものをいかに導き出すか、というゲームであると言えます。
その際に役に立つのが「システム」です。状況をある程度パターン化し、抽象化することで個々の事象に対して、最善の選択をする可能性を上げることができます。

本書があなたに提供するのは最高レベルのシステムです。驚異的な打荘数で知られる「鬼打ち天鳳位」ことお知らせ氏が生み出し、磨き上げられた55のシステムとその詳細な解説が本書に書かれています。 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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