- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第2章 1シャンテンに向かう考え方
case9 シャンテン数を把握する
シャンテン数の求め方は本書の方法でも問題ないですが、私はこちらの方法を用いています。「引き算よりは足し算が素早く計算できる。」「シャンテン数だけでなく、メンツ候補が足りているかどうかといった手牌のパターンも同時に認識できるようになる」といった利点があります。
牌姿Aなら⓪⓪①①①でアガリまで3手につき2シャンテン。牌姿Bなら⓪⓪⓪①①でアガリまで2手につき1シャンテン。どちらも◯の中に②が無いのでメンツ候補が足りていて、左端が⓪なのでアタマのある形であると分かります。ちょうどメンツ候補が足りている形なので、ターツを外せばシャンテン戻しになります。
余談になりますが、シャンテン数を基準にすると、テンパイなら0シャンテン、アガリなら−1シャンテンと負の数字が出てくるのが気になるところ。「シャンテン数」を表記する記述が浸透している以上あえて変える必要性はないとも思いますが、アガリを「0」テンパイを「1」として、アガリ、テンパイも同じ単位で表記した方が戦術をまとめるうえでも便利だと思いました。
case10 配牌からアガリをイメージする
牌姿1は⓪⓪①①①で2シャンテン。配牌の平均シャンテン数が3.58なのでかなりアガリやすい部類と言えます。一方牌姿2は⓪①①②②。チートイツがあるので4シャンテンですが、メンツ手は5シャンテン。アガリにくい部類と言えます。しかし仕掛けが利いてメンツ候補が足りていればシャンテン数1つ程度の差は容易に埋まります。牌姿2のような手牌だと単に悪い配牌とみなすのではなく、役牌を重ねるメリットが比較的大きい手であるとも捉えられるようにしておくといいですね。
麻雀技術の教科書
読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!
麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。
打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。
「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。