- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第1章 基本となる手組みの考え方
case8 覚えておきたい端牌整理のパターン
一口に端牌整理と言っても、例1、2は「2+1枚」。端牌を切ってもメンツができる受けは変わらないので事実上の浮き牌。例3、4、5は「2+2枚」ターツを外してもメンツができる受けは変わらないので、受けがかぶっている悪形ターツ。受けがかぶっているとはいえターツではあるので、単なる端牌の浮き牌よりは残します。例6は「3+2枚」ターツを外すとメンツができる受けを逃すので、を使っていて1枚受け入れが少ないとはいえ受けがかぶっている悪形ターツよりは残す形です。形だけでなく、どの程度残す価値があるかも押さえておきましょう。
例1と例2(それと通常の孤立端牌)の比較。拙著『勝つための現代麻雀技術論』では、例1>孤立19牌>例2の順で価値が高いとしました。理由はこちらで取り上げましたが、これだけだと例2も1234の形ができるのに他の形より価値が低いとしているかの説明がつきません。ツモのケースにも触れる必要がありました。
はを引いた時に(ツモでリャンメン、ツモでリャンメンに変化しやすいカンチャン)になり、はの二度受けペンチャンになります。序盤ほどリャンメンを作る浮き牌の価値が高く、最後まで悪形が残りやすい受けかぶりの悪形ターツの価値が低いのでこの順番にしましたが、いずれにせよ相当微差の比較。アタマが無い場合はの価値が高まるので、例1>例2>孤立19牌。これまでもまだ微差ですが、アタマがある場合よりは差がつきます。手役が絡んでいるかの方が重要なので、部分的な形にこだわるあまり一通等の手役を逃さないよう注意したいですね。
例3、4、5の比較はメンツが完成して「3枚+2枚」になった場合の形で比較。例5からメンツが完成すると例6になりますが、これよりは例3、4の方がリャンメンに変化しやすい。カンチャンとペンチャンならカンチャンを残す方がリャンメンに変化しやすいので、例4>例3>例5となります。
例6は「ペンカンチャン」とも言われる形。から切ればツモでリャンメンができます。内側から切った方が手変わりで勝る珍しい例なので押さえておきましょう。メンツができる受け入れが1枚少ないので、基本は他のカンチャンより先に落とすことになりますが、アタマがない場合はでアタマを作れるので他のカンチャンより残すことになります。自分の手に合わせて選択しましょう。
麻雀技術の教科書
読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!
麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。
打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。
「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。