現役モデルでもある岡田紗佳プロは2017年、日本プロ麻雀連盟にプロ入りした直後から、フジテレビの人気対局番組「THEわれめDEポン」等、メディア対局番組に数多く出演してきた。
そしてプロ入り2年目となる2019年、KADOKAWAサクラナイツからドラフト指名を受け、最年少Mリーガーに。モデルとして、プロ雀士として、前向きに歩み続けられるその支えとはー。
本記事では岡田紗佳の素顔とこれまでの活躍について振り返っていく。
目次
Mリーグで活躍する岡田-これまでの歩み
Mリーグ参戦1年目に感じていたこと
Mリーグ2019から新規加入したKADOKAWAサクラナイツは、レギュラーシーズン4位、セミファイナル1位、ファイナルステージ4位という結果でシーズンを終了した。「レギュラーシーズン90戦の中の1戦とファイナルステージ12戦中の1戦では重みが違いました」とMリーグの中でも決勝という雌雄を決する大舞台で戦えた経験は大きかった。
Mリーグ参戦1年目、自身の戦いぶりに関しては「ラスを引きたくないという気持ちが強くて、かなり守備的に打っていました」というが、2020シーズンからはチームに堀慎吾プロが新規加入し4人体制になったことで「ラスでもいいかなぐらいの気持ちで打てている分、選択の幅も広がったかもしれません。ミスをしたら反省はしますが、次はこうしようと思えるようになれました」と気持ちも新たにしている。
芸能界入りの原点は「歌手になりたくて」
中学時代は吹奏楽部に所属していたこともあり、音楽はいつも身近にあった。「父が松田聖子ファンだったので、車の中でよく曲をかけていたんです。私も小さい頃から聞いていて憧れを持っていました。実は芸能界に入りたいと思ったきっかけは、松田聖子さんのような歌手になりたいからだったんです。でも絶対無理という気持ちもどこかにあって、それでモデルの世界を目指したんです」
「見られること」には慣れているつもりだった
高校2年生だった2011年、ファッション誌「non・no」モデルオーディションでグランプリを獲得。以降「見られる」という観点では、麻雀プロの中では誰よりも慣れていた。
しかしメディア対局に出始めた当初は、思い悩むことも多かったという。「自分を強く見せたい。上手く見せたいじゃないですけど、そういう意識はあったと思います。対局番組は麻雀の内容が一番大事なので、視聴者にそこを認めてもらえないことは一番つらかったですね」と番組コメント欄やSNS等を見て、心が傷ついたこともあった。
「それでSNS等をまったく見なくなるようにしたことで、一切気にならなくなりました。今、Mリーガーになっている人たちはみんなそういったことを乗り越えてきているのかな」とシーズン2年目を迎えて肝が据わった実感もある。
麻雀におけるメンタル向上は、日常にも好影響を与えた。「普段の生活の上でも、頑張りすぎちゃうところがあったんですけど、今は自分を甘やかすことが多くなった気がします。貯金の意識をちょっと減らして、好きなものを買ったり、ゲームの課金もちょっと増やしたり」とプライベートにおける制約を緩めたことで、気持ちのゆとりも生まれた。
精神的な支え - 沢崎誠プロという存在
このメンタル向上の支えとなっているのは「とにかくポジティブなタイプなので、その考え方にはすごく影響されました」と所属団体の先輩でもあり、最年長Mリーガーでもあるチームメイトの沢崎誠プロの存在が大きいという。
「昨シーズン、同点ふたりトップに終わってしまった試合があったんですが、単独トップが獲れただけに、試合後はすごく辛かったんです。でも次の試合を迎える時、とにかく楽しんで打ってきてと言ってくれて。あの時は本当にすごく気が楽になりました」とレジェンドプロに全幅の信頼を寄せている。麻雀に対しても「いい意味で諦めがつくようになりました」と笑う。
「3面待ちでリーチをしても、カンチャン待ちリーチの人に一発でツモられるように、麻雀って理不尽なことがよく起きます。でもそういうことって人生でもよく起こるなって思うので、そういうこともあるよねって受け入れられるというか、人からどう思われるのかも気にならなくなったんです」と自分は自分、他人は他人と割り切れるようになった。
麻雀初心者が楽しく麻雀を打つためのコツ
Mリーグ2020シーズンは全30選手中、女流選手は10人と3分の1を占める。その相乗効果なのか、麻雀教室等に通い始める女性は増加傾向にある。
「麻雀を打っていると、なんでそれ切ったの?みたいなことを言う人とかっていっぱいいると思うんです。でも初心者の時には、自分がいいなと思ったことや聞きたいことだけを聞くようにして、納得したくないことは納得せずに自分が好きなように打つのが一番だと思います。私は麻雀に正解はないと思っているんで、いくらやらかしても次またやるよと思えるぐらいでいいんじゃないかな」と楽しく打つためのコツをアドバイスしてくれた。
自身の得意分野を活かし、チームユニフォームのデザインも全面監修した。モデル・タレントとしての知名度もあるだけに、岡田プロが活躍すればするほど、麻雀を始めてみようかなと新たに思う人が増えていくに違いない。
岡田紗佳(おかだ・さやか)プロフィール
名前 | 岡田紗佳(おかだ・さやか) |
愛称 | 完全武装アフロディーテ |
生年月日 | 1994年2月19日 |
職業 | プロ麻雀士 |
出身地 | 東京都 |
血液型 | O型 |
趣味・特技 | ゲーム、アニメ、歌 |
本人公式SNS | |
所属団体 | 日本プロ麻雀連盟 |
所属チーム | サクラメイツ |
プロ入会年 | 2014年 |
主なタイトル | ・女流雀士プロアマNo.1決定戦てんパイクイーンseason3・4・5 ・八局麻雀5・7優勝 ほか多数 |
勝負メシ | 焼肉 |
写真集 | 写真集「muse」(ワニブックス) 週プレPHOTO BOOK岡田紗佳「Perfect Body」(集英社) ほか多数 |
経歴
年 | 年齢 | 主な出来事 |
---|---|---|
1994 | 1歳 | 東京都で生まれる |
2000 | 6~11歳 | 6歳からの5年間、中国に住む祖母の家で暮らしていた時に麻雀と出会う |
2011 | 17歳 | 「non-no」モデルオーディショングランプリを受賞 |
2012 | 18歳 | 青山学院大学国際政治経済学部入学 |
2016 | 22歳 | 大学卒業時、テレビ東京「大学対抗麻雀駅伝in箱根」に出演。この番組をきっかけに麻雀プロの存在を知る |
2017 | 23歳 | 日本プロ麻雀連盟33期生としてプロ入り |
2018 | 24歳 | THEわれめDEポン 最年少優勝 |
2019 | 25歳 | KADOKAWAサクラナイツよりドラフト2位指名 |
2020 | 26歳 | THEわれめDEポン 優勝 麻雀最強戦2020 最強の女流プロニュースター決戦 優勝 |
麻雀との出会い・きっかけ
岡田が麻雀に出会ったのはなんと麻雀の本場・中国である。6歳の頃に岡田が住んでいた中国の祖母宅には雀卓があり、日常的に対局が行われていた。12歳まで家族と共に麻雀をしていた岡田だが、中国式麻雀のルールはほとんど覚えていないという。
そんな岡田が日本式麻雀に出会ったのは21歳の時。雑誌「non-no」の関係者の間で麻雀が流行るようになったことがきっかけだ。それからというもの、モデル仲間、メディア関係者と対局していた岡田は、日本プロ麻雀連盟から声がかかり、麻雀番組に出演するようになる。
そして大学卒業と同時に本格的な麻雀の勉強を開始し、23歳でプロ入りすることになる。
「失敗を受け止めて成長し、シーズンが終わる頃には皆様に褒めていただけるような麻雀を打ちたい」KADOKAWAサクラナイツ 岡田紗佳インタビュー
岡田紗佳の打ち方や雀風
岡田は統計・データを基にした打ち方が特徴的だ。プロになるために麻雀勉強会に参加していた岡田に「数字や統計の面から麻雀を勉強することが近道である」と、周りの麻雀プロが教えてくれたからだ。
その対戦相手を研究する姿勢はプロ雀士・多井隆晴も自身のYouTubeチャンネルで大絶賛している。
岡田紗佳の対局時の様子
麻雀最強戦2020 最強の女流プロニュースター決戦
麻雀最強戦2020本戦への出場権をかけた「最強の女流プロニュースター決戦」が行われ8人の強豪女流プロが集まった。現役Mリーガーである岡田のほかに瑞原、丸山と3人が揃う。準決勝は5800を和了しリードした岡田を南2で田渕がまくる展開。しかし続く2本場で岡田がマンガンツモ、これが田渕は親被りとなり岡田が再逆転し、岡田・仲田が決勝進出を決める。
決勝では東2局に先制リーチをかけた仲田に岡田が果敢に追いかけ、一発ツモのマンガン和了。このリードを守ったままで南入する。南3局で岡田は跳満ツモでさらにリードを広げるとそのまま逃げ切り、2020最強戦本戦への切符を手にした。最強戦アシスタントを務めたこともある岡田にとってはうれしさも一塩であったことだろう。
華々しい対決を制して岡田紗佳がファイナルに進出!/麻雀最強戦2020 最強の女流プロニュースター決戦
ALL STAR League 2019年7月26日対局
ALL STAR Leagueは俳優、お笑い芸人など著名人と麻雀プロが対局するリーグ。この日の対局は岡田+著名人3人(貴闘力 椿彩奈 ワッキー)、なんとしてもプロとして格の違いを見せたい岡田だった。
その気持ちが天に届いたのか、この日の3回戦ではなんと国士無双を和了。1日で167.6ポイントを上乗せし、同じプロ雀士である萩原に次ぐトータル2位へと浮上した。
岡田紗佳さんが国士無双和了など大活躍でトータル2位に 次回は8月1日放送/ ALL STAR League 7月26日対局 結果
◎写真:佐田静香(麻雀ウォッチ) 、インタビュー構成:福山純生(雀聖アワー)