システム14
2件リーチとなるとテンパイしたところで他家にアガられることが多く、両者に通っていない牌の放銃率が1件リーチ時の倍になるのですから、1シャンテンから無スジを勝負できることはほとんどありません。2件リーチ同士の横移動ですぐに決着がつくことも多いので、安牌が少ないとしても降りきれることが多いです。2件リーチに対しての降り方については『勝つための現代麻雀技術論』で触れましたが、安牌に窮した時は、「追いかけリーチの方が良形、高打点テンパイであることが多い」「先制リーチの現物ならダマにされる可能性があるので追いかけリーチ相手にもやや通しやすい」ことも押さえておくと失点回避しやすくなると思います。
システム15
2件リーチへの押し引き基準は、『統計学のマージャン戦術』で取り上げられています。そちらの基準では良形テンパイなら安手でもまずまず勝負できる、悪形テンパイだと高打点でも厳しいケースができるというところです。
よって今回は(3)よりもむしろ(1)の方が押しやすく、(3)も両者に確実に通る牌が無いとなると全て打押しとしそうです。
ただし、2件リーチとなると1件リーチ以上に、残りスジが少なくなれば無スジの放銃率も大幅に跳ね上がります。2件リーチ相手ならなおさら、「勝負手だから最後まで押す」は禁物です。
今回は取り上げられていませんが、1件リーチ相手にかなり強い牌を勝負している他家がいて高確率でテンパイしていると予測できる場合もあります。その場合も実質2件リーチ時の押し引きに近くなるので、1件リーチの感覚で判断して押し過ぎにならないように注意したいですね。
オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~
本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。
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