- 『ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第七節四回戦B卓
南1局
タンヤオ、ツモの良形受けもありますが打。
を残したのはコーツ手を見据えて。他家から見てメンツを作りにくい牌ほど山に残っている可能性が高くなります。受けは残して打。アンコが3つ完成したこの形なら、の出が早いことからよりが山に残っているとみて打とする手もあったかもしれません。
出アガリ4800止まりのが残り1枚なら四暗刻への手変わりをみるところ。ツモでいよいよツモれば役満テンパイ。出アガリ12000でも2着と20000点以上差を付けたトップ目となるとダマが無難そうですが、ダマで出アガリがききづらく、出アガリできるなら18000以上になるので他家の手を止めてツモアガリ率を上げるリーチと迷うところです。
結果的にはダマにしたために他家の手が進んで北家が南家から7700出アガリ。リーチして他家が降りていればを…ツモっていたと思ったらそこは王牌でしたね。
東4局1本場
ピンズを残せば良形が残りやすく、変化次第でタンヤオ、イーペーコーがつく場合もありますが、即一通でテンパイする受けがある以上打としそうです。
まだメンツ候補が足りていませんが、東家のドラ切りて手が早いと判断して安牌残しを優先。ただ字牌を1枚切ってもまだ現物が3枚残るのでこれくらいならを切ってそうです。
結果的にはを残していると1巡前にテンパイしてで放銃。フリテンテンパイである以上降りるかと思われましたが追いかけて放銃。見落としの可能性が高そうですが、ドラが見えていて親の手はメンピン止まりの可能性が高い。通常の親リーチに対して悪形リーチドラ1で追いかけがさほど悪くないとなると、それよりアガリ率で劣るが打点では勝り、降りきれない可能性もあるこの手なら案外割りに合っているのかもしれません。
東4局
タンヤオ、678三色になる受けが多くなるように打。東家の仕掛けが明らかにソーズ一色手ですが、ソーズも字牌も切れていないとなればテンパイまで遠い可能性も少なくない。他家の打牌に制限をかけつつ安牌を抱えやすい手であるが故に、テンパイに遠いところからの一色手仕掛けは珍しくありません。良形、高打点がみえる手であれば、鳴かれるリスクは承知で自分の手優先で進めたいところ。テンパイした時も一色手と違う色の待ちになればアガリやすさで結構な差がつきます。
ならダマでも7700あり、東家の仕掛けがある以上出アガリが期待しやすい。アガリ率を高めることが親のアガリを阻止、失点回避につながりやすい局面なのでダマの使いどころと言えます。
目論見通り南家から高めが出ました。しかしリーチして高めをツモるようなら一気にトップ。東家がここまで仕掛けているということは、リーチしても東家からの直撃が期待できるということでもあります。東家の一色手仕掛けは良形が残っているパターンが少なくめくり合いになっても勝てることが多そう。ラスのマイナスが大きい天鳳名人戦のフィールドだとダマが無難そうではありますが、この手のリーチ判断も難しいところです。