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5000点払ってリーチを取り消したくなる たろうの伝説の清老頭炸裂!-RTDリーグ セミファイナル 12回戦

5000点払ってリーチを取り消したくなる たろうの伝説の清老頭炸裂!-RTDリーグ セミファイナル 12回戦

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きわめて珍しい役満「清老頭(チンロウトウ)」が出現したRTDリーグ セミファイナル12回戦。出現率は0.0018%とされ、四暗刻や国士無双と比べても20倍以上出づらい役である。この試合の対局者は鈴木たろう瀬戸熊直樹佐々木寿人白鳥翔。本記事では衝撃となったこの試合の流れや見どころを解説していこう。

目次

試合開始の状況

今回解説する試合は、RTDリーグのセミファイナル12回戦にあたる。8人の選手で全20回戦が実施され、上位4人がファイナル進出権を得る。全4日の開催日程のうち、この試合は3日目。後半戦の入り口であった。

対局者たちの試合開始前のリーグポイントは下記のようになっている。

鈴木たろう 384.4 1位
瀬戸熊直樹 92.2 4位
佐々木寿人 65.9 5位
白鳥翔 25.3 7位

たろうがかなりリードを広げている。そのたろうが清老頭を上がってしまうのだから世の中不公平と言わざるを得ない。

対局者プロフィール

鈴木たろう(赤坂ドリブンズ

©Mリーグ AllRights Reserved
キャッチフレーズ ゼウスの選択
主な獲得タイトル 最強位、雀王4期

優れた状況判断でトップを取りに行くたろう。目指す打点は高く、満貫を基本としている。どうやら女性に弱いらしい?

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瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電

キャッチフレーズ 卓上の暴君
主な獲得タイトル 鳳凰位3期、十段戦3期

副露率が低く、面前で手を作ることを目指すタイプ。「クマクマタイム」と呼ばれる大連荘が名物となっている。

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佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部

キャッチフレーズ 麻雀攻めダルマ、魔王
主な獲得タイトル モンド杯4期、麻雀日本シリーズ2018

攻撃力重視で、リーチで攻め続ける寿人。波に乗ると手がつけられなくなり、勢いが収まるのを待つしかない。

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白鳥翔(渋谷ABEMAS

キャッチフレーズ 麻雀ハイブリッド
主な獲得タイトル 麻雀マスターズ2期、發王位

戦術を組み合わせる、多彩な戦法からハイブリッドの名が付いていた白鳥。仕掛け、リーチ、ダマと様々な戦法を取って場を翻弄する。

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試合全体の流れ

©ABEMA

寿人の攻めダルマが決まった試合だった。清老頭が出る前に、すでに寿人は46000点。東3局は親の寿人が連荘し、3本場まで突入。事件はここで起きた。

また三色同刻かよ・・・いやあれ?

実はこの日の第1試合、11回戦でも三色同刻が出現していたのである。役満である四暗刻と同じくらいの出現率であり、2試合続けて見られるものではない。そのはずが、東3局3本場の、配牌がすでにこれだ。

©ABEMA

解説者多井の第一声は「お! 清老頭だ」。この配牌を見て、トイトイ、三色同刻を見るのではなく、清老頭と見抜いているのはさすが麻雀の熟練者だといえる。あまりにもレアな役満で、慣れてない人はそんな役があることすら忘れてしまっているだろう。ちなみに清老頭というのは、19牌だけで上がる役。ここに字牌を含めると混老頭(ホンロウトウ)という役となり、これもなかなかに珍しい役である。

清老頭の兆しに興奮した解説席。マイクを倒して音声に不具合が生じるというトラブルがあったが、そうしている間にもたろうはまず[一]をポンで確保。切ったのはドラ隣の[⑦]

次巡、引いてきたのは[1]。また一歩清老頭に近づいたたろうが切ったのはドラの[⑥]。清老頭に一直線だ。

©ABEMA

すでに周りは、たろうの不気味な動きに気づいているだろう。[一]を鳴いて、捨てていったのはドラ含みのリャンメン。タンヤオ、平和系の手でないことは素人でも分かる。

寿人の勢いも止まらない。好配牌から速攻リーチ

だが、「そんなの関係ねえ」とばかりに、絶好調の寿人がリーチ。このときの寿人が、たろうの手牌をどの程度危険視していたかは定かでない。しかし、まさか清老頭があるとは思っていなかったのではないか。でなければ、局後の名ツイート「何が清老頭だよ! ふざけたことやってんじゃないよ!!」が飛び出るはずはない。

寿人の待ちは[2][5]。かなりいい牌だといえるだろう。しかしたろう、早々と追いつき清老頭をテンパイする。

©ABEMA

ここまでのたろうのツモを振り返れば、神がかり的である。

[⑨][1][二][9][三][1]・・・。

6回のツモのうち、無駄ヅモは2回のみ。天が清老頭を上がれと言っている。張ってしまった以上、後は引き勝負。リーチをかけてしまった寿人は逃げることが出来ない。見てる側としては最高の娯楽だ。解説者たちの軽快なトークが冴える。

「もう5000点くらい払ってなかったことにした方がいいんじゃないの、リーチ。」「5000点で足ります?」「5000点じゃ許してくんないか。」「許してくんないでしょ。」

なお麻雀には、かけたリーチを取り消すルールはない。

清老頭爆誕

たろう、最後の思案のしどころがやってくる。

©ABEMA

[一]はポンしている。すでにポンしている牌は加槓としてカンすることが出来る。カンをすればリンシャン牌を1枚引ける。1回分、ツモの回数を増やすことができる。しかし、カンせず。寿人に上がられる可能性を考えると、寿人のドラを増やすのは危険とみた。

ところが今度はその寿人が[①]をカン。リーチをかけていても、暗カンは出来る。そして新ドラが寿人に1枚乗った。やはり寿人にも勢いがある。だが、天を味方につけたたろうに死角はなかった。

©ABEMA

見事、清老頭を上がって見せたのだ。解説席からは溜息まじりの「いや~」「うわ~」といった声も聴こえる。たろうにとって一つの不運があるとすれば、これが寿人からの振り込みではなかったことだろう。寿人からロンできていれば、この試合でたろうが1着となったはずだった。試合全体を通してみれば、役満ですら魔王の歩みを止めること叶わなかった。しかし、それは望みすぎというものだったのだろう。この試合のトップは寿人であった。

試合結果

選手 試合の得点 リーグポイント リーグ順位 
佐々木寿人 43500 129.4(+63.5) 3位(+2位)
鈴木たろう 36000 400.4(+16) 1位
白鳥翔 14800 0(-25.2) 7位
瀬戸熊直樹 5700 37.9(-54.3) 6位(-2位)

この勝利で寿人はセミファイナル進出圏内へと浮上した。序盤たろうが不調だっただけに、ここで少しでもリーグポイントを稼いでおきたかった白鳥と瀬戸熊としては辛い結末となった。

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この記事のライター

麻雀ウォッチ編集部
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