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ネマタの戦術本レビュー第43回「神眼の麻雀 著:成岡明彦 編集:福地誠 その5」

ネマタの戦術本レビュー第43回「神眼の麻雀 著:成岡明彦 編集:福地誠 その5」

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第二章

 Q3 打

 確かには2枚とも山に残っている可能性大ですが、自分でを切っている以上、単騎テンパイになった場合の待ちにはしません。ツモはと白のシャボに受けても待ちに比べても損にはなりませんが、を残した方が有利とまで言えるには、打とした場合にテンパイを逃すが、山に2枚以下しか残っていないと読める必要があります(リーチイーペーコーのが待ちとして弱いとみるなら、単騎を選べるチートイツの方が優秀とみて、山に生きている受け入れが同程度ならチートイツを優先するのはあり。)。

 しかし今回は、が山に残っていることは読めても、が2枚以下しか残っていないと読むためには、他家の手牌構成が高い精度で読める必要がありますが、そこまで読むためには、「なさそう」という程度の曖昧なものではなく、具体的に他家の手牌構成を言い当てられる程度に強い情報が必要ではないでしょうか。

 Q4 打

 まとめでは、「ひどすぎる手からはノーテン罰符をみるな」とありますが、問題はノーテン罰符のないルールです。むしろノーテン罰符があるルールであれば、配牌がかなり悪いからといって初めから降り前提で打つ必要はありません。降りるべき局面になった時に始めて降りればいいだけです。

 逆に言えば、どのような手でも配牌の段階ではとりあえずアガリに向かって手を進めるのが正当化されるのも、ノーテン罰符の存在が大きいためなので、罰符のないルールであれば、あえてアガリを目指さず相手に警戒させる、あるいはミスリードを誘う河を作るといった選択の有効性が相対的に上がり、戦略の幅が広くなることは言えるでしょう。

 しかし、自分のアガリ目は無いものとしても、この時点でいきなり暗刻のを切り出すことがこちらに有利にはたらくかと言われると疑問が残ります。何故なら、をトイツで並べた程度で警戒を入れたり、山読みを誤ってアガリを逃す他家がいるとしても、その他家はそもそもそれほど手牌がよいとは言えないことが多いからです。

 一方、あがられると厳しい大物手が入っている他家は、牽制効果を期待したところで手を止めるとは考えづらいですし、大物手ということは手役やドラ絡みの面子候補を持っている可能性が高いので、ミスリードを誘ったところで選ぶ牌が変わらないことが多いもの。

 よって、手が入っているように河を作る、相手が山読みを狙うという効果自体は否定しませんが、よりよい手牌を抱えている、こちらからすれば最もあがって欲しくない相手を牽制できないことが多いので、これだけでは却って逆効果にもなる恐れもあります。それならアガリ目を残すに超したことはないです。

 他家を警戒させるためにブラフを入れたいのであれば、巡目が経って自分のアガリ目がほぼ無いと判断してから行えばいいだけです。先延ばしにするとついつい自分の手牌に集中して他家の動向を見落としがちになるので、早い段階で方針を決めるというのも一つの考え方ではありますが、私はあくまで、今ここで最善は何かを選択し続けることを目指すべきと考えます。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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