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ネマタの戦術本レビュー第233回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その4」

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 実戦でも頻出する牌姿ですが意外と難しい問題です。少し考察してみます。巡目は仮に8巡目とします。
 8巡目のリャンメン×2の1シャンテンのアガリ率(テンパイしたらリーチを打つ)は約30%。途中で手変わりすることもあるので実際はもう少しアガリ率が高いでしょうか。

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 一方、鳴いた場合は8種28枚でテンパイかつ必ずリャンメン待ちに受けられるヘッドレス1シャンテン。カンチャンリーチよりは明確にアガリやすく、はチーでもよく、テンパイした場合も鳴き手ならリーチよりはアガリやすいことから、アガリ率50%程度はあるのではないでしょうか。

 子のリーチのみの平均打点は約2500点、役牌のみは1000点。麻雀講座第24回で申しましたように、アガることによる失点回避を考慮して互いに1500点を加えます。4000点の30%と2500点の50%と考えるなら、どちらも大差なく、アガリ率重視の局面ならポン、打点重視ならスルーというところでしょうか。

 しかし雀荘ルールなら一発裏に祝儀がつくので、その分だけスルー有利であると言えそうです。第231回で申しましたように赤無しのリャンメンリーチならアガった場合に0.8枚程度の祝儀が期待できます。雀ゴロK本レビューの時にも取り上げましたが、祝儀5000点相当なら、平場では素点にして1枚1500点程度の価値になるので、リーチしてアガった場合に1200点程度加算されると考えて判断すればよいでしょう。

 P46の①〜④についても同様の方法で比較すると、祝儀無しなら①〜③についても鳴きとスルーが大差ないので同様にスルー。④は祝儀込みでも打点差がほとんどないので明確に鳴き有利になります。個人的には問題の牌姿は祝儀無しなら当然鳴くものと考えていたので意外な結果でした。元々比較的アガリやすい1シャンテンであれば、シャンテン変わらずの鳴きを入れるくらいならリーチの可能性を残した方がいい場合が多いということですね。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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