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ネマタの戦術本レビュー第316回「現代麻雀30の新常識  著:土井泰昭・平澤元気 その4」

ネマタの戦術本レビュー第316回「現代麻雀30の新常識 著:土井泰昭・平澤元気 その4」

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命題7

 「リーチ2600」と言うと安く聞こえますが、ツモって裏が乗れば満貫。アガった時の平均打点は約4600点にもなります。打点上昇の面からは悪形であってもほぼリーチ有利と言えます。役牌のみ悪形だと従来は交わし手としてダマにしたがる打ち手が多かったのも、命題2のピンフのみダマと同じ理由と考えられます。

 ただし、悪形テンパイなら良形変化への手変わりもあるので、ピンフのみの場合に比べればリーチとダマの差は小さくなります。それでも本書53pの牌姿くらい手変わりが多くなければ基本はリーチしますが、何らかの理由で手変わりを考慮しなくてもリーチとダマの差が小さいと判断できるなら、少ない手変わりでもその分ダマ有利と判断する場合もあります。

 先制テンパイはほぼリーチと言われますが、ダマ寄りになる要素自体はたくさんあるので、実戦ではそれらの条件が複数重なってダマにすることはそこまで珍しいというわけではありません。

命題8

 仮に12巡目に10回に1回は満貫をアガれる1シャンテンであるなら、私はまだ形テンを取らずにスルーすることが多いです。何故ならスルーしてもその後で形テンを取るチャンスはまだありますし、形テンを取る巡目を遅らせたからこそ、その後の他家のテンパイが入ってもテンパイを維持できるケースもあるからです。

 本書で言及されている通り、実際に流局時にテンパイしている確率がどの程度あるかも、どのあたりで形テンに取るかを考慮するうえで重要になる要素と言えます。

 

本記事に関するご紹介

リーチのみ端リャンメンは9巡内先制鉄リーチ。1翻7センチテンパイは押し。一発消しは損、ハイテイずらしは有効。―データで検証!勝つための麻雀戦術30。
 
土井 泰昭 (著)
平澤 元気 (著)
定価:本体1,663円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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