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ネマタの天鳳名人戦牌譜検討  第87回

ネマタの天鳳名人戦牌譜検討 第87回

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ネマタの天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第三節四回戦A卓

▼対局者
私:独歩
Bさん:コーラ下さい
Ⓟ中嶋隼也
Dさん:シンプルなワキガ

牌譜はこちら

 87_1-min

手拍子でのトイツを落とすと、が雀頭になりツモでドラや234三色含みの1シャンテンに取れなくなります。かといって打とするとツモで残り2枚のシャボ待ち。残り1枚でも待ちは比較的アガリやすいとはいえ、テンパイ前にが切られるケースや、先にツモなら平和がつくケースを考慮すればカンチャンを残した方がよいでしょう。

 よってカン受けを残しつつ、ドラ引き、三色変化を残す打。「浮かせ打ち」は古いと言われる場合もありますが、あくまで手牌で判断。浮かせ打ちするかどうかの基準は、「もっと勝つための現代麻雀技術論」第13回を御参照下さい。前巡をツモる前、

の時点で789三色もみて打とする手もあります。個人的にはそう打ちそうですがやや違和感のある打牌かもしれません。

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 は強浮き牌につき、受けよりも手変わり優先の打

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 雀頭のタンヤオに振り替わりましたが結果的にはアガれず。ダブドラのがあるのもあり、ドラ表示牌のを浮かせるのはリスクが高い選択でもあります。今回ははっきり浮かせ打ち有利な手牌だったとみますが、実戦では慣れていないとミスが増えがちで難しい選択と言えるかもしれません。

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 手牌だけなら勝負手に見えますが、が立て続けに見えて残りは僅か2枚。

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 打とした時点ではが浮いている1シャンテンだったのですが、「今のうち」とうっかりから切っていれば南家に3900の放銃でした。浮かせるリスクの高い浮き牌が残ってしまうことは手順上仕方無い場合も多々ありますが、他家のテンパイ傾向に対して浮き牌が残ってしまった場合に、「リスクを承知で押す」か「切り遅れとみて勇退する」のかを冷静に選べるようになりたいですね。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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