麻雀を練習するためにオンラインゲームを始めたものの、なかなか成長を感じなくなってしまった。そんな経験をしたことがあるプレイヤーも多いのではないだろうか。
「脱初心者」を目指すためには実戦を積み重ねることはもちろん大切だが、何となく打ち続けていると「伸び悩み」を感じてしまうのもまた事実。そこで本記事では、麻雀上達のための効果的な練習方法について紹介する。様々な練習方法にチャレンジすることで麻雀の引き出しを増やし、戦略の幅を広げてみていただきたい。
麻雀練習法:実践編
まずは実際の対局に近い形式で行える麻雀の練習法を3つご紹介しよう。
麻雀練習法:実践編① 何切る問題で思考力を高める
「上の画像の状況で、あなたはどの牌を切りますか?」
といった、いわゆる「何切る問題」は牌効率の考え方や手役を狙う感覚を養うために効果的な練習方法だ。一問一答形式の「何切るドリル」が数多く出版されているほか、詰め碁や詰め将棋と並ぶ「頭の体操」として、新聞や雑誌に掲載されていることも多い。
ちなみに、上の問題ではあたりが打牌候補となるが、手役派の黒沢プロが選択したのはだった。プロでも意見が分かれる正解がないような問題も多いため、正解を求めるだけでなく、自身がどうしてその選択をしたのか説明できることが大切だ。
麻雀練習法:実践編② オフライン対戦でじっくりと
オンラインゲームの中にはオフラインでコンピュータと対戦できる機能を実装しているものも多く、オフライン対戦専用のアプリも存在する。
オフライン対戦は、時間制限のプレッシャーがなく、じっくり練習できることが最大の魅力だ。コンピュータの強さも変えられるため、オンラインで対人戦をする前の練習としてはうってつけといえるだろう。このほか「完全無料のゲームが多い」「データ消費の心配をせずに楽しめる」といったメリットもあるので上手く利用してみよう。
麻雀練習法:実践編③ 一人麻雀でひたすら反復練習
麻雀牌を持っているなら、一人麻雀で牌効率をじっくり検討するのもおすすめの練習方法だ。実物の牌がない場合は、カード式やマグネット式の小さな商品でも代用できる。まずは手元に13枚の牌を並べて、「ツモって切る」をイーシャンテンになるまで繰り返してみよう。イーシャンテンになったら牌の受け入れ枚数をゆっくり確認して、自身の選択が「正解」かどうかをチェックする。どの牌を切れば受け入れ枚数が一番多くなるかを数えて、自分が受け入れ最大の選択をできていればOK だ。慣れてきたらリャンシャンテンのケースにもチャレンジしてみよう。実践における選択の精度がぐっと上がるため、成績にも直結する練習方法といえるだろう。
麻雀練習法:座学編
ここからは、座学で知識を身につけることで強くなる練習法を3つ紹介していこう。
麻雀練習法:座学編① 解説動画を見て勉強する
YouTubeには麻雀関連の動画が数多く投稿されており、「麻雀入門」のような解説系の動画も豊富だ。打牌選択や戦術について効果的に学びたい場合は、MリーガーやVtuberによる解説動画を活用してみるのがよいだろう。
麻雀初心者に向けた簡単な内容はもちろん、最近ではMリーガーが自身の打牌の意図を解説するハイレベルな動画も多く公開されている。自分のレベルに合わせて、楽しんで学べる動画を探してみていただきたい。
Vtuber2人による麻雀勉強会!
神域リーグで活躍した渋谷ハジメさんが、千羽黒乃さんに指導を仰いだのがこの動画。渋谷さんが実際に対局を行い、千羽さんが気になった部分を後からフォローするという内容の動画だ。どうすれば最短でリーチまでたどりつけるか、といった基礎的な内容から説明してくれている。千羽さんのポジティブな指導を聞きながら牌効率について楽しく学べる動画なので、ぜひチェックしていただきたい。
Vtuberと一緒にトッププロから学ぶ!
多井隆晴プロ(RMU・渋谷ABEMAS)の「たかちゃんねる」には、脱初心者には欠かせない情報が満載だ。Vtuberの咲乃もこさんを「雀魂」の上位ランカーに育成する企画では、トッププロならではの深い思考を聞くことができる。Mリーグの大舞台で活躍する多井プロならではの、実戦で活かせる思考が目白押しだ。麻雀の基礎をおさえ、さらなるステップアップをしたいという方には「たかちゃんねる」のようなトッププロによる指導が聞ける配信をおすすめしたい。
麻雀練習法:座学編② 対局動画で楽しみながら学ぶ
対局動画を見て、プロの選択やその解説から学ぶというのも効果的な練習法だ。現在はMリーグを筆頭に、プロ雀士による白熱した対局も数多く配信されている。Mリーグ中継はライトな麻雀ファンでも理解しやすい実況や解説が魅力のひとつだ。
また、ビギナー向けの教材としておすすめできるのが『神域Streamerリーグ』。MリーガーとVtuberによるチーム戦で、各選手視点で配信が行われるのが特徴だ。本リーグには麻雀経験が浅いVtuberも数多く参戦しているため、Mリーガーによる初心者に向けたアドバイスも満載の魅力的な配信となっている。
神域リーグで各選手の思考を学ぶ
神域リーグの配信では、Vtuber同士の真剣勝負を楽しみながら麻雀を学ぶことができる。対局中は各選手の視点に立って、ゲストの麻雀プロが解説を行ってくれる。本動画は神域リーグを主催する天開司さんのチャンネルだが、各選手のチャンネルではそれぞれ配信を行うため、選手が話すその時の思考も知れるはずだ。
Mリーグでプロの思考を学ぶ
Mリーグ公式のハイライト動画は、トッププロの打牌を学ぶのに最適だ。この動画では、オーラスの難しい条件を加味したうえでの深い思惑を楽しめる。先制リーチで主導権を握る、相手に対応しながら追っかけリーチ、危険を冒してもひたすら高打点を追い求めるといった各選手の選択に垣間見える思考を解説から学ぶことができる。中でも、放銃を回避しながらテンパイを取り切る園田賢プロ(最高位戦・赤坂ドリブンズ)の打ち回しは秀逸のひとこと。各選手の立場を考えながら見ることで、プロによる打牌の真髄をより深く味わえるだろう。
麻雀練習法:座学編③ 戦術本でプロの打ち方を知る
麻雀上達グッズの定番として根強い人気を誇っているのが「戦術本」だ。動画を見るよりも多少気合いが必要になるものの、学びたいことをピンポイントで深く学べる点が戦術本の魅力だ。基本を学べる教科書的な本から「押し引き」や「読み」を深掘りした本まで、麻雀プレイヤーの様々なニーズに対応している。
また、推しのプロ雀士がいるのであれば、その選手の戦術本を手に取ってみるのもよいだろう。好きなプロに少しずつ近づくことで、麻雀のモチベーションもアップすること間違いなしだ。
こちらで初心者の方に特にお勧めするのは金太賢の『麻雀「超コスパ」上達法』。ルールを覚えたあたりの段階の麻雀熟練度の方でも読むことができる上達の為の大事なエッセンスが敷き詰められている。
対局中に行える練習法
基本を学んで麻雀の楽しさを知ると、とにかく対局数を重ねたくなるものだ。ここでは、対局中に意識的に行える練習法をご紹介しよう。
時間制限なしでじっくり考える
時間制限なしで考える機会を設けることは、上達のために必要な取り組みだ。とくに友人や知人と卓を囲めば、初心者には「ゆっくり考えても大丈夫」と声を掛けてくれることだろう。
ミスは麻雀には付き物だが、同じことを繰り返さないようにじっくり反省を行うことが大切だ。時間を気にしなくてもよい環境で、一打一打の理由をしっかり考えることが上達への近道となる。麻雀ゲームのCPU対戦やリプレイ機能を使った牌譜検討を利用するのもおすすめだ。
受け入れ枚数を常に意識する
いかに早く手牌をアガりの形に仕上げていくか。そのために欠かせない要素が「牌効率」や「受け入れ枚数」という考え方だ。アガり形を目指すとき、そのために必要な牌の種類や枚数は当然ながら多い方が有利だ。簡単な例を挙げるとと持っていた場合は、必要な牌はの1種類のみで受け入れ枚数は4枚。一方でと持っていればとの8枚が受け入れ可能だ。受け入れ枚数を常に考えて対局を行うことが早いテンパイにつながり、アガリ率のアップにもつながるはずだ。
比較するクセをつける
麻雀における判断力を身に付けるためにおすすめしたいのが「比較するクセをつける」ことだ。この牌を切るとどんなメリットがあってどんなデメリットがあるのか、毎回考えることを習慣づけてみよう。麻雀は常に最善の選択をし続けることを要求されるゲームだ。よって、比較する意識を高めることが、麻雀の全ての基盤を強化してくれるはずだ。
いろいろな練習法を試して麻雀の上達を目指そう
麻雀初心者にとって、誰かに教えてもらうことなく雀力を身に付けていくのはハードルが高いようにも見える。しかし、麻雀の「先生」となってくれるコンテンツは意外にも身近に溢れているものだ。気軽に視聴できる動画や短時間でチャレンジできるドリルから学んだ情報を、オンライン対戦の時に意識して実践する。それだけでも自分の引き出しが増えていく事を実感できるはずだ。脱初心者、そしてさらに高いレベルを目指していくためにも、ぜひいろいろな練習法を試していただきたい。