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銀玉親方の「麻雀で食え!」 西原理恵子さん たぬにご来店

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こんにちは、近代麻雀でコラムを30年くらい書いている山崎一夫です。

かつて「麻雀で食え!」という戦術を20年くらい連載しており、単行本にも3冊なってます。

現在はそれに代わって「でかぴん麻雀入門」を連載してます。

ここではかつての記事を再録し、現代に合わせた新たなコメントを付けています。よろしくお願いします。

 

牌効率と役のバランス

西原理恵子御一行様が、たぬに登場。 

「麻雀、ひさしぶりだわ。符はおろか、役も忘れそう」 ぼくも入って4人セットで打ちました。   

さっそくぼくが、ほぼ手なりのリーチをかけてツモアガリ。

[三][三][2][3][4][4][6][6][6][7][8][9] ツモ[5] ドラ[四] 裏[5]

「なんじゃそりゃ、チンイツを狙おうよ」 西原さんが文句を言います。  

西原さんは、どちらかというと手役派なので、チンイツや三色が大好きなんです。  

一般的に言って、漫画家や小説家のような作家は、手役派が多いようです。  

漫画家の片山まさゆきさんや、福本信行さん、小説家の伊集院静さんなどは、作家らしい手役派だと思います。  

では、麻雀プロはどうかというと、たとえば小島武夫プロは、徹底的に手役を追求します。

動画投稿サイトのyoutubeにアップされてる九連宝灯は、小島武夫プロならではの最高傑作です。  

先のアガリですが、実はぼくの下家がマンズに染めているようなので、ドラ表示牌の[三]が切りにくかった、という事情も少しありました。  

[三][三][2][3][3][4][4][6][6][6][7][8][9] ツモ[5] ドラ[四] 裏[5]

打ち手それぞれの思惑があるのも、麻雀のおもしろいところです。  

次のはぼく自身が、後悔(3秒ほど)したリーチ。    

[一] [二][二][三][四][四][五][六][七][七][八][九][6][7] ドラ[①]

こんなテンパイをして、チンイツに移行するかどうかを一瞬考えたんですが[二]切りで即リー。(ダマテンでイッツーへの変化待ちはしない)

すぐに下家が追いかけリーチ。それに一発で[三]を放銃してしまいました。

[四][五][②][③][④][④][⑤][⑥][⑦][⑧][⑨] [西][西] 一発[三] ドラ[①] 裏ドラ[東]  

チンイツに向かっていれば、こんな3メンチャンになっていたハズです。

[一] [二][二][三][三][四][四][五][六][七][七][八][九]  ドラ[①]

後悔ながら(3秒ほど)点棒を払っていたら、親がこんな手牌を公開。

[1][2][3][5][5][6][7][7][9][9][中][中][中] ドラ[①]

「待ちが悪いので、ずっとダマテンにしてたんですねどねー」  

仮にぼくがチンイツに向かっていたら、ソーズで親マンの放銃になってたようです。ラッキー。  

ぼくたちは、実際に起こった結果や一部の情報によって、幸運不運を感じますが、新たな情報を得ることで、評価が逆転することもあるんですね。

このケースはセット麻雀だから、親の牌姿という別の情報が得られましたが、フリー雀荘やプロの対局では、第三者が手牌を公開することはありません。  

ぼくの例では、 「失敗した」「ツイてない」 という判断のままで終わってしまうんです。

ちなみに、雀ゴロは他人を安堵させる情報は、あえて出さないようにするのが普通です。  

昔の知り合いの雀ゴロが、もしこのケースの親だったら、手牌を伏せて、こう言うでしょう。

「山ちゃん、ツイてないねー。そこで裏目を引くようじゃ、今晩は朝まで冷えるよ」

イラスト:西原理恵子

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この記事のライター

山崎 一夫
ギャンブルライターとして各誌に麻雀やパチンコ、博打に関するコラムを執筆する。
都内で麻雀店「たぬ」2店舗を経営。

Twitter:@mahjongtanu
麻雀たぬオフィシャルサイト:http://homepage3.nifty.com/tanugoten/

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