なぜ子供麻雀教室の講師に?
「元々子供に教えることが好きで、大学では教育学部に通いながら塾講師のアルバイトをしていました。卒業したら小学校の先生になるのが目標だったんです。でも気がついたら小学校の先生ではなく、麻雀の先生になっていました(笑)」
麻雀講師として生きていく決断に関しては?
「20歳の時、ニューロン麻雀スクールのプレ研修に参加させてもらったことで、この仕事は自分に合っていると確認出来たことがきっかけです。それで大学を中退して、麻雀講師として働きたいと親に相談したんですが、猛反対されました。大学やめてなんで麻雀なんかしにいくんだ! 稼ぎはどうなんだ! 福利厚生はどうなっているんだ!と。僕が親だったら、同じことを言って反対するとは思うんですけど(笑)」
「ただその時は、これまでの人生で一番頑張ったと思うんです。とにかく好きなことをやってみたいんだという思いを真摯に伝えたら、親にも認めてもらえたのです。今では両親も自分の仕事を応援してくれています」
どんな人が講師に向いている?
「誰に対しても優しく接することができる人は向いていると思います。知らない人同士で卓を囲むと、緊張したり萎縮してしまう方もいるので、僕も先輩を見習って、そういった方には気後れしないよう声をかけたり、ときには席を変えたりすることもあります。言葉のかけ方やタイミングって本当に大事ですね」
好きなことを仕事にするためには?
「子供教室で将来なりたい職業を聞くと、ユーチューバーと答える子はけっこういます。そうはいっても実際にやり始める子はなかなかいません。歳を重ねていくとやりたいことを仕事にしても食べていけないんじゃないかと心配したり、現実的には厳しいでしょと挑戦する前にあきらめてしまう子のほうが多いと感じます。でもとりあえずやってみたらと思うんです。やりたいけど無理そうだからやらないではなくて、やりたいんだったらとりあえずやってみる。それで無理だった、理想と違った、思った通り生活出来なかったというのであれば、他の仕事を探し、好きなことは趣味として継続していけばいいと思うんです。ユーチューバーも麻雀講師も、いざやるとなると勇気が必要なので、まずはその一歩を踏み出すことが大事だと思います」
麻雀を始めたのはいつ頃ですか?
「高校2年の頃に覚えて、どっぷりハマりました。大学に麻雀部が無ければ自分で作ろうとさえ思っていました。そしたらなんと入学した文教大学には、大学公認の競技麻雀研究会があったんです。部室には全自動卓が2台もある。それはもう勉強そっちのけで部活に熱中する日々です(笑)」
「『青雀旗杯(せいじゃんきはい)』という同じ大学の2人ペアで戦う麻雀の甲子園のような大会がありまして、関東予選で優勝して、部長だった僕と副部長で本戦が行われる大阪までの新幹線ペアチケットを頂いたこともありました」
好きな言葉は?
「好きな言葉は“テンパイ即リー、数打ちゃ当たる”(笑)。子供教室は取り組み方もレベルも様々なので、リーチできたらもう合格!みたいな感じで教えています。タンヤオ・平和・三色同順は出来たら格好いいけど、リーチだけでもいいのでまずはアガる喜びを味わってほしい。荒療治かもしれませんが」
好きな映画は?
「清水健太郎さん出演の『裏麻雀勝負! 20年間不敗の男 雀鬼』です。普段は映画に出てくるような麻雀とは無縁の世界にいるので刺激的で面白いんですよね(笑)」
インタビューを終えて
「先生、これどうするの?」「先生、ちょっと来て!」「見て見て、アガったよ!」。明るい空間に響きわたる歓声。「僕にとっては人と人とをつなぐ最高のコミュニケーションツールです。麻雀自体というより、麻雀を通じて人とつながっていることが好きなのかもしれません」と教室の中心でには、柔らかい表情の山本講師がいた。
インタビュー・文責:福山純生(雀聖アワー) 写真:河下太郎(麻雀ウォッチ)
ニューロン子供麻雀教室・大井町校
開催日時:第1・3日曜日10~20時
開催場所:ニューロン麻雀スクール大井町校
住所:東京都品川区大井1-3-6 イトーヨーカードー大井町店6階
アクセス:JR・東急・りんかい線大井町駅から徒歩1分
主催:非営利団体ニューロン
対象:小・中学生10時~18時、高校生10時~20時
参加費:無料(維持費として1日100円)
問い合わせ:TEL03-6429-7949
責任者:池谷雄一(ニューロン代表)
※初回参加には、保護者の承諾と会員登録が必要。完全禁煙。12卓あり。
マージャンで生きる人たち back number
- 第1回 株式会社ウインライト 代表取締役社長 藤本勝寛
あらゆる挑戦は、すべて〝妄想〟から始まる - 第2回 株式会社F・R・C代表取締役 香宗我部真
"作業"が"仕事"に変わった先にあるもの - 第3回 ターナージャパン株式会社 制作部 プロデューサー 上島大右
好きなことを仕事にしようと考えるより、自分の仕事を好きになる努力するほうがいい - 第4回 フリーアナウンサー 土屋和彦
しゃべるのが仕事。しゃべることを取材することも仕事 - 第5回 株式会社セガ・インタラクティブ セガNET麻雀MJディレクター 高畑大輔
「マージャンのおかげでキレなくなりました(笑)」 - 第6回 RTD株式会社 代表取締役 張敏賢
「目指すは、新しいマージャン文化の創造」 - 第7回 漫画家 片山まさゆき
「盆面〈ぼんづら〉がいい人生。仕事も麻雀も。そうありたい」 - 第8回 株式会社アルバン 専務取締役 船越千幸
「奪い合うのではなく、増えるきっかけを生み出す」 - 第9回 健康麻将ガラパゴス創業者 田嶋智裕
「参加者に喜ばれ、なおかつ社会的意義のあることをやり続けたい」 - 第10回 株式会社日本アミューズメントサービス代表 高橋常幸
「希望が持てる業界を構築し、麻雀で社会を変えたい」 - 第11回 《More》プロデューサー 菊池伸城
「躊躇なく一気にやることで、世界は開ける」 - 第12回 麻雀キャスター 小林未沙
「想像力をどれだけ膨らませられるかが勝負です」 - 第13回 麻雀評論家 梶本琢程
「面白かったら続けたらいい。うまくいかなかったら次を考えたらいい」 - 第14回 麻雀AI開発者 水上直紀
「常識を疑い、固定概念を崩したい。強くなるために」 - 第15回 麻雀観戦記者 鈴木聡一郎
「ニュースがライバル。そう思って書いてます」 - 第16回 株式会社サイバーエージェント AbemaTVカンパニー編成部プロデューサー 塚本泰隆
「決断したことに後悔はしない。麻雀から学んだ思考です」 - 第17回 劇画原作者 来賀友志
「麻雀劇画の基本は〝負けの美学〟だと思っています」 - 第18回 株式会社シグナルトーク代表取締役 栢孝文
「始める、続ける、大きく育てる。愛する麻雀の“弱点”を補うために」 - 第19回 フリーライター 福地誠
「まだ本になったことがない新テーマの本を作りたい」 - 第20回 声優 小山剛志
「もがき、あがき、考える日々。一体いつまで続けられるのか」 - 第21回 映画監督 小沼雄一
「大変だけど、やってみる」 - 第22回 麻雀企画集団 バビロン総帥 馬場裕一
「プロは『人が喜ぶ』」 - 第23回 点牌教室ボランティア 松下満百美
「やってあげてるという意識は無いほうがいい」 - 第24回 フリーアナウンサー 松本圭世
「高校野球中継のスタンド取材が今に生きています」 - 第25回 子供麻雀教室講師 山本健
「好きな言葉は、テンパイ即リー、数打ちゃ当たる!」