麻雀ウォッチ

日本最大級の麻雀専門ニュースサイト!プロ雀士やイベントの情報をはじめ動画やマンガ・アニメ、アーケードゲーム情報まで麻雀関連の事柄全てを網羅します

CABOクィーンカップ
マージャンで生きる人たち 第20回 声優 小山剛志 「もがき、あがき、考える日々。一体いつまで続けられるのか」

マージャンで生きる人たち 第20回 声優 小山剛志 「もがき、あがき、考える日々。一体いつまで続けられるのか」

麻雀の頂全自動麻雀卓スリム

一度聞いたら忘れられない奥行きのある声。AbemaTV麻雀番組・麻雀日本一決定戦『麻雀最強戦』(竹書房主催)のMCとして、番組を盛り上げているのは、声優・小山剛志さん。歌手、イベントプロデューサーでもあり、毎日が最強戦予選という夢のようなコンセプトを持つ雀荘『麻雀オクタゴン』のオーナーでもある。多岐にわたって活躍する小山さんに、仕事論とノーレート雀荘の現状を聞いた。

 

小山剛志(こやま・つよし)プロフィール

1967年、愛知県生まれ。A型、天秤座。早稲田大学卒。アクロスエンタテインメント所属。声優、歌手、イベントプロデューサー。禁煙ノーレートフリー雀荘『麻雀オクタゴン』オーナー。好きな役はメンタンピンツモ。

 

声優を志したのはいつ頃だったのですか?

「声優というか、最初は舞台役者として活動を始めたのですが、スタートはだいぶ遅かったですね。24歳で大学を卒業、役者業の世界に足を踏み入れたのは卒業してからです。役者業はいつ形になるかは分からないし、長くやったからといって必ず飯が食える状態になるわけでもありません。進路の話になる度、バリバリのビジネスマンだった親父とはよくぶつかってました。何としても一生の仕事として成立させるんだという覚悟が決まり、何とか親父の許しも得て、この世界に飛び込んだのが24歳の春。飛び込んではみたものの、すぐに役者としての仕事なんかあるはずもなく、収入源のほとんどはバイトによるものでした」

「本格的に声優の仕事を始めたのは、富野由悠季監督の『∀(ターンエー)ガンダム』というアニメでデビューしてからです。でももちろんそれだけで食っていけるわけもなく、なんだかんだ30代後半まではバイトしながら食いつないでいたって感じです。それはもう色んなバイトをやりました。その中にはあまり公には出来ないものもありますね(笑)」

 

麻雀を始めたのはいつ頃だったのですか?

「高校1年の時、仲間内でやってみようということになり、いつの間にか毎週土曜日は友人の家で徹マン。それから35年間ずっとやってきて、始めた頃と変わらない新鮮な気持ちで楽しむことができる。これはもうおそらく死ぬまでやるんじゃないですかね(笑)」

 

麻雀MCを担当することになったきっかけは?

「そもそものきっかけは2008年、麻雀対局DVD『声優グランプリ公認!声優界〈雀王〉決定戦!〈J-1グランプリ〉』を制作したことにさかのぼります。この企画には、植田佳奈さんをはじめ、売れっ子声優たちが集結してくれ、面白そうだからどうせならDVD化しちゃおうなんてノリで制作しました。1巻で終わるつもりが好評だったので、最終的には4巻まで制作しました。そのDVDを見た竹書房の麻雀最強戦プロデューサーから、2011年に番組MCのオファーを頂いた次第です」

aaaad0926244eb1d4a2716d2923c594f4c2228f3279std
人と人を結びつけるマンパワーこそ、小山さんの真骨頂。麻雀好きに国境はない

 

なぜ雀荘オーナーになろうと思ったのですか?

「2014年の麻雀最強戦ファイナルが終わった打ち上げの席で竹書房の方に『雀荘とかやってみたらどうっすか? ウチも協力しますよ!』なんて軽い感じで言われたのを真に受けてしまいました(笑)。それまで副業にはいっさい興味が無かったのですが、雀荘経営? ちょっと面白そうだなって思ってしまったのが、運命のいたずらでしたね」

「ちょうどその頃は、成績を競い合う麻雀に魅入られ始めた時期でもありました。漫画家の片山まさゆきさんと馬場裕一プロが主宰されている『GPC(グッドプレイヤーズクラブ)』に参加させてもらったり、声優をはじめアニメ業界の人たちが参加する『二次元業界麻雀部』の大会で成績を競い合う内に、お金なんかよりも名誉を賭けた戦いのほうが、何十倍もドキドキできることに気づきました」

 

お店のコンセプトは?

「プロ雀士たちには、リーグ戦という刺激的な戦いの場があるのに対して、我々アマチュアにはそういった場が少なかった。アマチュアだって日々成績を競い合い、ドキドキ感を味わいたい。だったら作ってしまおうということで『毎日が最強戦予選!!』をコンセプトととし、2015年12月にオープンしました」

「年に数回しか行われなかった麻雀最強戦のアマチュア予選大会に毎日参戦できる。そうすると一発勝負ではなく、回数を重ねられるので、より実力が出やすくなるはずです。競技麻雀愛好者にとって需要があるのかどうか。確信はなかったのですが、飛び込んでみる価値はあると思い、竹書房さんに相談して現在のリーグ戦形式になりました」

aaa75245fd67f4dfec75cbdf669c6573e6305bf4047std
2014麻雀最強位、サイバーエージェント・藤田晋社長も麻雀オクタゴンアマチュア予選に参戦中!

 

ノーレート雀荘の経営者となって感じたことは?

「オクタゴンを始めてからは、それはもう大変な日々でした。お金をかけないノーレートという旗を掲げてはみたものの、その形態でやる以上、お金以外の要素でお客さんに楽しんでもらえるようなシステムを構築しなければならない。いろんなシステムを試したり、微調整したり、様々なイベントを企画したり、毎日必死で模索してきました」

「しかし、そもそもノーレートとというか、現在の風営法を遵守した形での営業形態は成立しないのではないかと思えるくらい、経営的には苦しい状態です。事実、開店してから黒字になった事は一度もないんじゃないかな? 僕自身に利益というものが出た事はもちろん無く、それどころかウン百万円の私財も投入してます。藤田社長(株式会社サイバーエージェント代表取締役社長)のサポートが無ければ、とっくの昔に潰れていたと思います。自分に利益が出るわけでもなく、声優の仕事が終わった後や休日に店に顔出したりで、プライベートな時間がほぼ無い現状、正直三日にいっぺんくらいは、店畳んだらどんなに楽だろうかと考えてます(笑)」

 

そこまでして経営にこだわる理由は?

「麻雀が大好きだという事ももちろんありますが、従業員やゲストに入って頂く方達の働く場を失わせたくないという事もあるし、何よりオクタゴンという店を気に入ってくださっているお客さん達の“競技場”であり“遊び場”を守りたいという気持ちが大きいですかね」

「ただまあ、それも限界があります。いつまでも藤田社長にご迷惑をおかけするわけにもいかないし、もしかしたら来年あたりに何らかの決断をせねばならないかもしれません。今年いっぱいは何があっても続けるつもりですが、来年以降なるべく長く続けるためにはお客さん、といいますか、この店の“サポーター”になってくださる人を増やすしかありません。そのためには、さらなる面白い企画、接客の面を始めとした居心地の良い店作りを、より徹底して進めていかねばなりません」

「やるだけのことをやってそれでも駄目だった場合は、“商売”という面から見れば当たり前の事ですが、潔く辞めるしかないでしょうけどね」

 

お客様層の傾向とお店のウリは?

「ノーレート雀荘に足を運ぶお客さんの層は、大きく二つに分けると、成績を競い合うことに凄くやりがいを感じる競技麻雀ガチ勢と、麻雀を始めたばかりの初心者勢の二層といえるかもしれません。ただ、この二つの層の融合がまた難しい。初心者勢は普通にフリー卓に入ること自体が相当ハードルが高いことだし、ガチ勢はやはりガチ勢同士での対局を好む傾向にあります」

「共存は至難の業であるからといって、どっちかに舵を振り切るわけにもいきません。『毎日が最強戦予選!!』というコンセプトでやっている以上、ガチ勢にとっての競技場であるのはもちろんですが、麻雀業界という大きな枠組みで考えた場合、麻雀人口を増やすこともまた大きなテーマです。そのためにオクタゴンでは、様々な取り組みを行ってきました」

「2016年11月にスタートした《おとなの麻雀スクール》を始め《てんすうけいさん講座》、初心者大歓迎の講義付き大会《ビギナーズカップ》への参加者も、コンスタントに増えてきました。さらに2017年10月から多井隆晴プロ(RMU)による《たかはる塾》も開講し、麻雀人口の裾野を広げるさらなるきっかけとなっております」

「かつては初心者勢だった人達がこういう場に参加し、フリーデビューし、ガチ勢達との勝負でいろんなことを学びながら、やがて互角の戦いを繰り広げる。これこそオクタゴンの理想というか、オクタゴンという雀荘が存在する意義だと思っております」

「そもそも、オクタゴンのゲスト陣は日本一豪華な布陣と言っていいくらい、沢山の著名プロ、著名人がゲストに来てくれています。スクールだったりゲストだったり、きっかけは何でもいいので、麻雀をする人にとって“特別な場”となることを突き詰めていくことが、オクタゴンを守ることに繋がっていくと思います」

 

好きなことを仕事にするためには?

「一歩踏み出すこと。心の中で思い描くことは誰にでもできます。一歩踏み出せるかどうかがすべてです。思い立ったときに動き始めないと、夢は夢で終わってしまいます。いつかやりたいと言っても、動き出さないことには何も始まりません。形にするためにはリスクは付き物ですが、イメージとして自分の中に生まれたものは、とりあえずやってみる。やってみて失敗だったとしても、そこで得た発想が次につながれば、それは失敗ではないわけです」

「そして思い描いたことを誰かに話すこと。自分ひとりで出来ることなんてたかが知れてます。話すことは巻き込んでいくことでもあるわけです。そうすると、その人との会話の中から何かしらの形が生まれます。そのためには許容も必要です。絶対譲れませんと主張することも大事かもしれませんが、100%合致することはまずありません。いろんな人と関わっていく中では妥協したり、それいいねって素直に受け入れられる柔軟さも不可欠です。全部自分でやるのではなく、お任せしますって感覚も必要だと思います」

 

小山さんにとって麻雀とは?

「麻雀最強戦のMC、雀荘経営。麻雀は仕事の一部でもあるので、趣味を超えた存在と言えます。個人レベルを超えた領域で関わっている以上、麻雀業界をより良いものにしていきたい。これだけ好きなんだから、もっと貢献したい。幸いなことに昨今は対局番組も飛躍的に増え、TVアニメや実写ドラマにもなった漫画『咲-Saki-』から興味を持ってやり始めた若い人達もいます」

「その受け皿となれるよう、オクタゴンでしかできないイベントをどんどん発信していきたいと思います。もちろん、自分も時間の許す限り、オクタゴンで麻雀打ってます。ぜひ一緒に麻雀しましょう! オクタゴンが無くならないうちに!(笑)」

aaDSC_0083
同卓したことのある方ならわかるであろう。小山アニキから放たれる溢れんばかりの麻雀愛を

 

インタビューを終えて

 麻雀人口は2009年の1,350万人をピークに、2016年には500万人と減少(出典:レジャー白書2017)。雀荘店舗数(2017年)は、8,736店舗で前年比440店舗減。廃業届を出していない店舗数も含まれているため、実際に営業している雀荘は、もっと少ないことが予想される(出典:警察庁生活安全局保安課「風俗営業の営業所数の推移」)。中でもノーレート雀荘の経営は本当に厳しいのが現状だ。

 しかし小山さんは「誰もが楽しめるディズニーランドのようなお店にしたい」と、少年のような瞳で未来を語る。あっという間に共鳴者にしてしまうマンパワーと麻雀に対する限りない愛情。

 経営者としての苦しみを、赤裸々に吐露してくれたのは「なんとか現状を打破したい」とあがき、もがく、麻雀に魅入られた男の叫びに他ならない。

インタビュー・文責:福山純生(雀聖アワー) 写真:河下太郎(麻雀ウオッチ)

◎小山剛志公式ツイッター
https://twitter.com/_higetter_

◎麻雀オクタゴンオフィシャルサイト
https://www.mj-octagon.jp

◎アクロスエンタテインメントオフィシャルサイト
http://across-ent.com/about/

 

マージャンで生きる人たち back number

新着記事

Return Top