- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第八節二回戦B卓
▼対局者
Ⓟ中嶋隼也
Ⓟ小林剛
Cさん:就活生@川村軍団
Ⓟ多井隆晴
ドラ3のチャンス手。1シャンテンを維持しつつ、345三色を見るなら打ですが、ドラ3なら三色よりは良形変化を重視したいところ。の4連形なら巡目が十分に残っているならペンチャンよりもメンツになりやすく、点数状況的に満貫手を跳満、倍満にするメリットも大きいとみていっそペンチャンを外した方がよかったかもしれません。
ドラ2以上ある手は他に役が無くてもリーチで満貫見込めるのでシャンテン戻しはしないと言われる場合もありますが、「良形変化を残した方が和了率は高くなるが、テンパイを遅らせることで他家の和了率も高くなる」選択については、むしろ高打点が狙える時ほど良形変化重視になると考えられるのではないでしょうか。今回のように手変わりを考慮する時はタンヤオや三色といった打点上昇変化も伴うことが多いので、「ドラがたくさんあるからこそシャンテン戻し」すべきケース自体はあまりないと思いますが、先制リーチを打ちたいのはむしろ打点上昇変化が乏しい安手の場合であるということは押さえておきたいです。
14巡目にテンパイが入りますが流局。結果的にはを残していれば前巡待ちのテンパイが入り一発ツモでした。
対門の切りからが持たれていない、はドラそばで使われやすいことからカンでリーチ。結果的には下家がトイツでを先にツモりましたがでもツモ和了。
ポンするとリャンメン×2の1シャンテン。5800でも2着になれますが、アガリ逃しても着順落ちの可能性が低く、トータルでもここでトップを取らないと足切りの可能性が高くなるというのもありまだスルー。
次々に有効牌を引いて待ちのリーチ。ラス目の上家がリーチしたのでツモって裏1でトップ終了でしたが裏は乗らず。
メンピンドラ1でもツモか上家から出アガリでトップ終了。上家はドラをポンしてピンズ染め傾向ですがの後付けの可能性もありますし、ペンチャンを外した段階なのでテンパイしていないことも多そう。テンパイする枚数が多いとはいえカンや単騎待ちが残る受けがある打よりは、ここで打として、ツモで比較的場況のよい待ちリーチが打てるようにします。
一発でをツモり南家を飛ばして逆転トップとなりました。