- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
- ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
第十節三回戦A卓
▼対局者
Ⓟ木原浩一
Bさん:独歩
Ⓟ多井隆晴
Dさん:トトリ先生19歳
残り2枚とはいえリーチツモで親満貫の手。は現物となれば追いかけリーチを打つ手もありそうにも見えますが、大きなマイナスだけは避けたいトータルトップの南家のリーチが安手悪形とは考えにくいもの。南家だけでなくマンズ染めにもみえる北家がドラを手の内で使っている可能性も結構ありそうです。もしそうであればアガれる見込みがほとんど無いことになるので親で高打点であっても勝負に見合いません。待ちの悪い手のリーチ判断は局面に左右されやすいものです。
勝ち目のある待ちに手変わりしたところで追いかけますが結果は流局。南家はドラを使ったリャンメン待ち。北家はチーの時点では片アガリ234三色の待ちでした。
1本場で南家に7700放銃。先程と同様の理由で3フーロもしてきた南家が安手であることは少なく、ドラを持ってそうではありますが、今度はを止めるとほぼ降りることになりツモられても親かぶり。僅かでも優勝の可能性に賭けるなら親番は落とせないところなので致し方なしでしょうか。
受け入れの狭い1シャンテンで鳴いて5200テンパイとなれば通常ならポンテンに取るところですが、メンゼンでテンパイしてツモりサンアンコになれば倍満。トップを狙うが故のスルー。
2枚目は仕方無くポンテンに取りますが結果は南家の3900和了。
上位4人が最終節に進め2人が足切りになる今節。既に就活生氏の足切りは確定していて、残り1人は木原プロか多井プロの着順争い。最終節にコマを進める狙いなら即リーチ、あるいはテンパイ取りダマで123か234三色の振り替わりを狙うところですが、このまま手を進めて最終節に残れても独歩氏の優勝は確定的。それならばここで敗退するのもやむなしとして来期への布石にしようという考えだったようです。ほぼ優勝の目が無くなってしまった時にどう打つべきか、答えの出せない問題です。