- 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第一節三回戦A卓
東3局
4巡目 西家タケオしゃんの手牌。打としてピンズでターツができれば打。そこで字牌が重なればホンイツで5ブロック揃います。2枚見えなのもあり、前巡は打東としましたがここではを残して打。鳴かれた時に2翻つく他家がいるという理由で、役牌の切り出しは場風→三元→自風がセオリーですが、個人的には数牌は場風より前に切るか自風より後に切るかばかりなので面白い手順と感じました。
7巡目 5ブロックの候補は足りましたが先手を取るのが難しそうな手牌。役牌や、を引いてもドラが浮くを切って客風残し。鳴かれた場合もメンゼンで高打点の手をツモられる可能性が下がるので悪くないという意図もありそうです。
12巡目 独歩氏をポンして打。残り1枚、残り0枚につき、残り2枚のツモでもテンパイする打が受け入れで勝ります。受け入れ枚数で雀頭崩しが勝るケースは結構珍しいので意識していないと選びづらい一打です。
16巡目 東家の木原プロ。テンパイの可能性を残してを切りますが、タケオしゃんに8000放銃。小林プロのが鳴かれていませんが、単騎待ちや、今回のように手変わりしたケースなら当たり得ます。と手出しでリャンカンが落とされているのをどう見るか。独歩氏の仕掛けにソーズを止めて回ったケースもありますが、そうでないとすればカンテンパイから単騎、そこから単騎を含む多メンチャンへの手変わりが想定されます。既にテンパイしているなら押すに見合うとみますが、狭い1シャンテンなら切りが無難だったかもしれません。
南1局
1巡目 木原プロの手牌。最序盤とはいえ手変わりしてもカンリーチドラ1より価値の高い手になりづらいので1シャンテンには取りそうです。からリャンメンが出来てもドラを切ることになるので、どちらかと言えばドラツモでを雀頭にできる打としそうですが、南家の鳴きから将来ソーズが場に高くピンズが安くなりやすいという理由で打との比較が難しいです。
南1局1本場
5巡目 タケオしゃんの手牌。5ブロックに受けるなら打ですが、6ブロックに受ける打を選択。点数状況的に完全1シャンテンになっても後々を切って安牌を持つことも多く、ツモは高め三色より3メンチャン×2の1シャンテンになる方がよいというところでしょうか。
11巡目 余裕のあるトップ目につき慎重にダマを選択。強気に追っかける手もありそうです。ドラそばのより後からを切ってリーチならかを含むシャンポンが想定されるのでリャンメン待ちなら勝算が高く。負けた場合もドラ雀頭のケースが想定しにくいというのもあります。結果的にツモで一旦テンパイを崩しますが再度テンパイして5800のアガリ。連荘から更に得点を積み重ねてダントツで終了。これでタケオしゃんは3連トップ。開幕から大きくリードすることになりました。