第一章
Q6 打リーチ
早速山読みの技術が発揮される問題ですが、こちらの本でも度々取り上げられているような山読みについても、第26回で触れましたように、既に「科学する麻雀」(講談社出版の方)でも取り上げられています。
あちらではシュンツの構成しやすさから他家に使われにくい牌は山に残っていると判断し、トイツ以上で持たれていることは基本的に考慮しないというものでした。確かに、牌の組み合わせのうえではコーツよりシュンツ、トイツよりはトイツ以外の面子候補の方が出来やすく、多くの場合は打ち手の意志よりも、統計的な面子の出来やすさの影響の方が大きいものです。
ただし、シュンツを構成しにくい牌ほど、その分トイツ以上で持たれることが多くなるというのもまた事実です(生牌の字牌の放銃率が、他の数牌に比べて巡目が深くなるにつれ大きく上昇するのもこのため)。
今回はが4枚見えなので、も以外のシュンツを構成できず、のシュンツも河から北家以外は持っているとは考えにくい。一方白は染め手の西家が持っていることが十分に考えられるし他家からも切られづらい。ここまで条件が揃えば、字牌単騎よりも単騎に受けた方がアガリやすいと言えるのではないでしょうか。
Q7 打ダマ
手変わりが豊富な単騎待ちなので、基本はダマで手変わりを待つ方がアガリやすい牌姿。トップの上家がトイメンの仕掛けに通っていることが多い3mを切っていることから差し込む意志が無いと読めるので原則通りダマとします。
差し込む意志があるのであれば、上家が差し込める牌をこの時点で持っているなら、上家を降ろさない限り自分の勝ちはほぼないのですから、流石に即リーチ打つべきでしょう。まさしく、「牽制」のためのリーチが有効になると言えます。オーラスやラス前で条件がつく時ほど、一般的なセオリーが覆る局面も多くなりますね。
Q8 打リーチ
単純に残り枚数的にもよりはか待ち。が仕掛けに通っている分、打として待ちでリーチとします。これについては特に迷う余地はない問題だと思います。
本記事に関するご紹介
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