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ネマタの戦術本レビュー第255回「迷わず強くなる麻雀 著:鈴木たろう 編集: 鈴木聡一郎 その2」

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レッスン2

 とある昔の戦術書で、確率論や統計学の有用性や、人は例外の方が印象に残りやすいから錯覚が起こるということについて言及されているものがありました。

 しかしその本は、抽選力を高めるという考え方を否定しているわけではなく、むしろ抽選力を高めるべく、ツイてない時は普段の逆をいくといったオカルトを推奨している箇所がいくつも見受けられるものでした。

 本を読んだときは不思議に思ったものですが、改めて考えてみると案外不思議ではないかもしれません。何故なら、何らかのオカルトを信じている人でも、確率論や統計学を全く信じていないわけでもなければ、自分が常に正しく物事を見ていると信じているわけでもないからです。

 頭では理解できているはずの人でも麻雀でオカルトを信じてしまう理由、それは、第三者の視点ではなく、当事者の視点で麻雀をとらえてしまっているからではないでしょうか。

 何か具合が悪い出来事が起きた後で誰かが亡くなったとして、その誰かが自分の大切な人であれば、無関係なはずなことでも関係があるのではと思ってしまうものです。

 最初は全く信じていなかったけれども、長期で好調、不調を引くといった「当事者」の立場になって信じるようになったという人もいます。

 むしろ最初から信じ込んでいた人の方が少数かもしれません。私が今後オカルト派に転向することはまずないと思いますが、長期で負けが込んだり、逆に勝ちが続いた時でも偶然と割り切って打牌判断に影響が出ないかと言われるとそんなことはありません。

 人は抽選をありのままに認識することはできないものです。「当事者」になる前にそのことを知らせてくれる存在が無ければ、今頃オカルト派になっていたかもしれません。

 抽選は運でしかありませんが、人は偶然を偶然と認識することが苦手であるということも押さえておきましょう。自分はオカルトを信じていないから偶然を偶然と認識できると過信していると、無意識のうちに判断がズレていることに気付けなくなります。

 オカルト派は気まぐれで判断を変えてたまたま正解を選べることがあるかもしれないので、こうなるとオカルトを信じている以上に悪影響になる場合もあります。

 「何としてでも偶然を偶然と認識できるようにしよう」とするとかえって抽選に意識が向いてしまい、その分選択が疎かになりがちです。

 楽しむだけでなく勝つためにも、まずは自分の選択を意識するようにする。そうすると自ずと抽選への意識も薄れてくると思います。

本記事に関するご紹介

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鈴木たろう (著)
鈴木聡一郎 (編集)

発売日:2017年3月29日
定価:本体1,404円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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