レッスン3
情報を正しく認知し、認知に基づいた正しい判断をして、判断に応じた正しい牌を選択する。選択フェーズのうちにやるべきことをまとめるとこんな感じでしょうか。多くの情報を正しく認知できる打ち手ほど実力者である傾向が高いことは間違いないことでしょう。
しかし、認知した情報自体は正しいとしても、その情報が打牌選択に役立つことは限りません。「今」に関わらない情報を判断に入れれば、役に立たないどころかかえって損をすることにします。
多くの情報を把握できる方がよいことは言うまでもありませんが、多くの情報を認知できてしまうからこそ、過去の選択が抽選そのものに影響を受けるといったオカルトに陥ってしまうことがあるとも言えます。麻雀が複雑なゲームだから錯覚しやすいとありますが、正確には、麻雀は抽選の影響が大きい割には、情報量が多いから錯覚しやすいというところでしょうか。
ピンズを多くツモってきたから今はピンズの流れで、その後もピンズを多くツモってくるといった話は昔の戦術書ではよく見られました。もちろんこれは誤りです。しかし、ピンズを多くツモってくるということは、他家が手牌にピンズをあまり持っていない可能性が高くなることは言えます。
他家の河からピンズを持ってなさそうというのは「今」の情報であり、勿論活用すべき情報です。今回の手牌のようにリャンメン待ちをあえてシャボに受けることは滅多にありませんが、リャンメン同士の比較でピンズを残すといった判断をすることはよくあります。
従来言われてきたようなセオリーで現在ではオカルトとされているものの中には、このように「原因の方が間違っていて、結果自体は間違いとまでは言えない」ものもいくつかあります。
ですから全く役に立たないと捨て置くべきものばかりではないのですが、原因が何かを間違っていれば、そのセオリーを用いるべきケースでない場合も用いてしまう誤りも犯しがちです。何故そのセオリーが成り立つのか、改めて確認しておきましょう。