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ネマタの戦術本レビュー第329回「麻雀 定石「何切る」301選  著:G・ウザク・福地誠 その2」

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 Q10〜12

 再び「メンツ候補固定と雀頭固定」の比較です。(現麻第16回
 Q10、11は単独トイツが無いので雀頭固定。手役面で差がある場合は共通の受け入れ、今回であればツモツモを比較します。(現麻第19回)カンチャンの三色やイーペーコーより、平和テンパイになった方がよりよい手になるので、今回はいずれもリャンメントイツを残してカンチャントイツを雀頭固定した方が有利になります。

 Q12は単独トイツがあるので基本はリャンメン固定ですが、今回は打ツモでも高めタンヤオの待ちになり受けもあるので、案外打も悪くないです。打ツモならそこで打とする手もあります。ただし、「高打点の受け入れ優先」の観点から、メンゼン1シャンテンならクイタンよりはリーチできる受け入れを優先した方がよいことは押さえておきましょう。

 一度で全てを理解する必要はありません。むしろ、どんな何切る問題も、実はやっていることは全て同じであるということを徐々に理解していただければ結構です。

 Q13〜15

 いずれも単独トイツがあるので基本はリャンメン固定。一見ピンズはエントツ形を含むメンツ候補(現麻第18回)ですが、Q13は端にかかっているので受け入れが増えず、むしろを1枚多く使っている分受け入れが減ります。牌の組み合わせを単に名前だけで覚えていると、端にかかっているので価値が低くなるケースを見落としてしまいがちなので注意しましょう。
 エントツ形も待ちとして残った場合はリャンメンと同程度に良形です。よってQ15に関しては、タンヤオがつきやすく、低確率ながら三暗刻の受け入れもある分打が有利になります。もちろん「ポンテンが取りやすい」から打と考えても間違いではありませんが、そのように考えるとQ12のようなケースでも打としがちなので、あくまで「よりよい受け入れ優先」と考えた方が汎用性が高いです。

 まずは体で覚えましょう。頭は、「体で覚えた選択が、今の手牌、局面でも本当に正しいと言えるのか」を確認するために使います。

 Q16〜18

 Q16は単独トイツが無いのでカンチャントイツを雀頭固定。Q17は単独トイツがあるのでリャンメントイツをリャンメン固定。メンゼン1シャンテンならクイタンよりリーチ優先。これまでの問題と同じ方法で解けます。
 Q18からはくっつき1シャンテン。今回はマンズ、ソーズが共にリャンメンが作りやすく、トイツは作りにくい中ぶくれ形なのでピンズを雀頭固定するのが正解です(現麻第42回)。トイツのできやすさ次第では、雀頭固定が正解にならないケースも多いので注意しましょう。

 「メンツ候補固定と雀頭固定の比較」については、もうコツがつかめてきたのではないでしょうか。次回からはくっつき1シャンテン同士の比較です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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