第3章No.10
麻雀でデータ研究が進められるようになる前に鳴きが過小評価されてきたのには、鳴くとツモを1回飛ばすことになるデメリットが高く見積もられてきたというのも理由として挙げられます。鳴かなければツモっていた有効牌を下家にツモ切られてその後の展開も悪くなったという結果論的な考え方に陥る打ち手は現在でも少なくありません。
しかし、ツモ番1回の価値自体は決して低いものではありません。今回のように鳴くことによる手牌の変化が小さいものであれば、ツモ番や他家からの出アガリやすさを考慮しなければ確かにアガリやすくなっていると言えるが、微妙にしかよくならないのでツモ番1回を優先してスルーということもあります。
本書もNo.9まではそうであったように、麻雀戦術書で扱われる鳴き判断は、鳴く前と鳴いた後でアガリ率、打点に大きく変化があるものがほとんどです。変化が大きいので鳴くにせよ鳴かないにせよ、結論を出すうえでツモ番や他家からの出やすさを考慮する必要がありませんでした。
昨今の戦術書から麻雀を覚えた打ち手に鳴き過ぎの傾向が見られることが少なくないのは、戦術書の基準が鳴き寄りであったというだけでなく、アガリ率、打点の変化が小さいものに対しても鳴くことによる細かいデメリットを意識していなかったことにもありそうです。このような鳴き判断については未だに結論を出すのが難しいものも多いですが、「手牌の価値が高くなっているか微妙」というのであれば、スルーすることによるメリットも意識して判断することをお勧めします。
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