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ネマタの戦術本レビュー第524回「片山まさゆきの楽勝麻雀 著:片山まさゆき  その4」

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Q6

 打

 何を切ってどのような方針で進めるのか難しいと感じるのは、手牌をぼんやりとしか見ていないからです。手役やドラだけでなく、メンツやターツの数に着目して、手牌についてなるべく客観的な説明ができるように個人的にも心がけています。

 この手牌は4メンツ1雀頭の候補が既に揃っている(雀頭が1つあり、それと別にメンツとターツが合わせて4つある)状態です。候補が既に揃っているのですから、新しくメンツ候補を作る必要性は、メンツ候補が足りていない場合に比べれば薄いです。新しく作るのであれば、今持っているメンツ候補より明確に優先すべきと言えるほど強いメンツ候補です。

 また、メンツ候補が揃っていると言っても、メンツ自体は1つもありません。アガリにはメンツが4つ必要なのですから、メンツの数が少ないほどアガリには遠いと言えます。

 アガリまでの手数を減らす手段の一つが「鳴き」です。鳴きはターツやトイツといったメンツ候補をメンツにすることができます。メンツが少ない手でも、メンツ候補が足りているのであれば、鳴きによってテンパイにまで持ち込むことがメンゼンと比べてだいぶ容易になります。

 しかし、鳴いた場合は他に手役が無ければアガることができません(メンゼンならリーチ、メンゼンツモがある)。また、鳴くとメンゼンと比べて打点が落ちます。そうして見ると、メンツ候補は揃っているにもかかわらず、メンツが1つも無い。ドラが2枚あるので鳴いても打点が落ちにくいこの手は、役牌を重ねることで手役をつけるメリットが特に大きいと言えます。少なくともリャンメンができるより役牌が重なった方が手牌の価値はずっと上がるのではないでしょうか。

 を並びトイツではなく、受けがダブルでかぶっているリャンメン2組と解釈すれば、実はこの手は純チャンの4メンツ1雀頭の候補が揃っているとも言えます。片アガリの形が残る可能性があるとはいえ、鳴いても純チャンドラドラで満貫になるはチーするところでしょう。一度を鳴けば上家が再びをツモってきた時に鳴きやすいというのもあります。

 それでは鳴いても満貫とはいえ、アガリにはが2枚必要になるはどうでしょうか。これも局面次第では鳴くケースもありそうですが、1巡目なら悪形の二度受けという、シャンテンが進み仕掛けがきく形とはいえ本当にアガリやすくなっているとは言い難い仕掛けをいれるくらいなら、スルーして手が進む牌を引きにいった方がよいとみます。手が進むのはメンツが完成するツモだけでなく、新たにトイツが出来てチートイツ2シャンテンになる場合も含まれるので、スルーしてより有利な手になる牌がかなり多いです。「遠い仕掛けを控える」と言われる事があるのは守備面に難があるからというだけではなく、仕掛けないことによってより有効な牌が引ける可能性も多いためでもあるのです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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